Yu-Rin流!トマトの育て方

科名

ナス科

栽培難易度

★★☆☆☆(長期栽培の果菜としては比較的育てやすい)

播種適期

1~3月播種⇒室内育苗⇒5月上旬定植⇒5~6月収穫スタート⇒8月まで収穫というスケジュールがお勧めです。

以下の栽培例では1月播種の様子を掲載していますが、寒さで生育不良になりやすく、栽培管理がやや難しいかもしれません。

3月播種が最も一般的なスケジュールです(3月播種の場合、下で説明している鉢増し作業は必要なく、12cmポット+室内育苗でゴールデンウィーク頃まで育て、ちょうど定植適期となった苗を直接プランターに定植することができます)。

収量は少し減ってしまいますが、5月上旬蒔きなら無保温直播きで手間をかけずに栽培することも可能。

なお、トマトは種から育てた株がある程度成長した後、その脇芽を折り取って挿し木すると、新たなトマト苗に成長するため、それを繰り返せば1月から翌年1月まで世代交代を重ねながら周年収穫し続けることが可能です!

*一般的には苗を購入して栽培しますが、このサイトでは『種から、無農薬で、野菜を、プランターで育てる』ことにこだわっています。一度は種から育て、トマトの一生を観察し、そこから『何か』を感じていただくことをお勧めします。

お勧めの品種

タキイ種苗の「フルティカ」がプランター菜園にはお勧めです。

(主な特徴)
・大玉トマトとミニトマトの間の中玉トマト(果重40~50g)として人気の品種
・果実は真っ赤に熟し、中玉トマトとしては糖度が最高レベル
・耐病性に優れ、トマトモザイクウイルス(Tm-2a)、葉かび病(Cf9)、斑点病(LS)、サツマイモネコブ線虫(N)に複合耐病虫性を有する
・果皮が薄くて口に残らず、食味食感に優れる

ブログの栽培記事では、トマトを各種紹介していますが、栽培管理の方法は基本的にすべて共通です。色々育ててみてフルティカが耐病性と食味の観点から一番のお勧めではありますが、気になる品種があればぜひ挑戦してみましょう。

2010年にブログで紹介したトマトたち(詳細はトマトの栽培記録からご覧ください)

大玉トマト(赤)=ホーム桃太郎・・・広く流通している大玉トマトを家庭菜園用に改良した品種
中玉トマト(赤)=フルティカ・・・Yu-Rin一番のお勧め!
ミニトマト(赤)=千果・・・家庭菜園で一番人気のトマト。糖度が高く、一般にミニトマトといえばこの品種
ミニトマト(黄)=スイートミニイエロー・・・黄色いミニトマトで食味に優れる
矮性トマト(赤)=レジナ・・・成長してもあまり大きくならない観賞用兼食用の品種

プランター選びと播種法

厳寒期に播種を行って、長期収穫を狙う場合、ポット育苗がほぼ必須です。

多くの家庭菜園参考書や、他サイトで推奨されている特別な『催芽処理』や、高価な『加温育苗器』も、以下の方法なら必要なく、もっと自然な方法で簡便確実に栽培を進めることが出来ます。

育苗用ポット選びと播種

播種、育苗用のポットは鉢の開口部の直径が12cm前後のものを使用します。
ビニール製のポットが一般的ですが、室内育苗用に(もし入手可能であれば)プラスティック製の12cmポットのほうがより好ましいです。
(室内でビニールポットだとどうしても汚くなりやすいので。。。)

プラスティック製12cmポットは100円ショップなどで入手できます。
ちょっと入手しづらいかもしれませんが、兼弥産業株式会社のスリット鉢が手に入れば、育苗環境としては最も理想的です。(普通の鉢とどう違うのかはこちらのサイトに詳しいです。類似品に注意!)

1つのポットに3~4粒、少し間隔を離して種を蒔き、乾燥させないように毎日水遣りを行って、室内で管理します(霧吹きで水遣りすると便利です)。
最終的に1つのポットから1株を厳選しますので、2株定植したい場合は2つのポットで育苗を進めます。

土は専用の「種まき用培養土」である必要は無く、いつも使用しているもので大丈夫です。表面にバーミキュライトを一面に薄く敷いておくと水分の蒸発が抑制され、より発芽しやすい上、室内に置いたときの見た目もきれいです。
置く場所としては、室内の出来るだけ光の当たる場所(=窓際)がお勧めです。

1月上旬播種、種が隠れる程度に土をかぶせ、室内育苗により自然発芽させたトマト。播種後1~2週間で発芽。

トマト1作目11日目

定植用プランター選び

トマトは栽培期間が長く、根量も多いため、出来るだけ容量の大きなプランターを選びましょう。
私がよく使用している深型レリーフプランター600なら2株、レリーフスクエアープランター300深型ベジタブルポット10号なら1株植えが最適です。

発芽後の管理

トマトで必要とされる発芽後の管理は、水遣り、間引き、支柱立て、 定植、追肥、整枝です。

水遣りのポイント

(定植後)土表面が乾いたら、プランターの排水口から水が勢いよく流れ出るまでたっぷりと与えます。
頻繁に水を与えすぎると根腐れによる生育不良の原因になります(特に冬季は注意)。
水遣りが不十分だと尻腐れの一因になります(詳細は後述)。

間引きのポイント

間引きは成長の様子を見ながら、葉が重なり合わないように2回に分けて行うのが基本です。
状態の良いものを残して、虫害を受けたもの、成育の悪いものを選んで間引きます。

1回目の間引き後(本葉2枚時、1株間引いて2株に)

トマト1作目26日目

2回目の間引きで1本立ちに(本葉4枚時)。写真が暗くて見づらくすいません

トマト1作目33日目横

追肥のポイント

室内育苗中は原則追肥は不要です。
元肥入りの培養土なら肥料は不要。
元肥が入っていない培養土や古土なら間引きついでに元肥を1回施し、以降定植まで追肥は不要です。
葉の状態を注意深く観察し、あきらかに栄養不足が疑われる場合は液肥で対応します。

育苗中のトマトの栄養状態について

トマトの苗は葉が栄養状態のバロメーターになっています。
すなわち、(水分量が適正という前提で)肥料が不足すると葉が薄くなって上向きに伸び、多すぎると葉が厚く重くなって下向きに垂れ下がります。

肥料や水分がちょうどよい状態は葉がほぼ水平に伸びた状態なので、うっかり、葉が垂れ下がっている様子を見て『元気がない=肥料不足』と思い、追肥してしまうと逆効果です。

理想的な状態の幼苗。双葉が枯れずにしっかり残っていることもポイント。

フルティカ

定植後は定期的に2~3週間に一回を目安に追肥します。
トマトは比較的少ない肥料でも良く育つので、施しすぎないようにするのがポイントです。

生育の様子

最終間引きを終えて、室内の窓際で順調にすくすく成長しているトマト。
株高30cmの姿。日照不足で徒長気味となって、少し株全体がぐらつく場合は割り箸などで仮支柱を立て、麻ひもで軽く誘引してあげると良いです。

トマト1作目53日目

1月播種の場合、第一花房が開花してもまだまだ外は寒いため、一回り大きな鉢に植え替えを行って(鉢増し)、室内育苗を継続します。
下の写真で使用している鉢は冒頭で紹介した、兼弥産業株式会社のスリット鉢
同時に、細めの支柱も設置して麻ひもで誘引しています。
四月下旬までは室内管理を基本としますが、可能なら暖かい日中は外へ出してあげると元気にがっちり育ちます。

トマト植え替え2

この頃から脇芽が目立ち始めるので、晴れた日にすべての脇芽を手で折り取って、整枝します(1本仕立て)。
(雨の日に折り取るとそこから病原菌に感染する場合があるので、少し遅れても必ず晴れた日に行いましょう)

葉の付け根から右上方向に伸びた小さな芽が脇芽。手で簡単に折り取ることが出来る。

わき芽(トマト1作目68日目)

折り取ったわき芽は生命力が非常に強く、直接そのまま土に埋めておけば根が生えて、新たにもう一本、苗を増やすことが出来ます(水につけて根を出してから植える必要などはありません)。

12cmポットで挿し木育苗中の脇芽。土も特殊なものではなく普段使用している培養土で十分。

トマトの挿し木

万が一、メインの苗に(病気や主枝折れなど)何か問題が生じた場合の保険として、いくつか挿し木しておくことをお勧めします。
(種から育てなおすより生育が圧倒的に良いです)

4月下旬頃、大型のプランターへ定植します(室内管理は完全に終了)。

定植(トマト1作目96日目)

市販苗を購入した場合も4月下旬~5月上旬頃が定植適期。
定植時、育苗中に使用していた仮支柱は撤去し、太くしっかりした本支柱(180cm前後)に交換します。

レリーフスクエアープランター300、1株植え、適期苗を定植した直後の様子

千果

週に一回程度、脇芽かきと支柱への誘引を繰り返しながら、ぐんぐんまっすぐ成長させ、真っ赤に色づいた果実から順次収穫していきます。

フルティカ

(支柱の長さや樹勢、土の容量に応じて)第5花房または第6花房のすぐ下で摘心を行い、第4~5花房まで収穫したら、挿し木しておいた株に世代交代して収穫を続け、それを繰り返すことで非常に長い期間トマトの収穫を楽しむことが出来ます

世代交代を繰り返し、播種からの栽培期間丸1年=翌年1月に収穫したトマト。色づくのに非常に時間がかかる分、酸味が全く無く、甘味とうまみが極めて濃厚な『冬トマト』。一度は試す価値のある逸品です

フルティカ、レッドファルダー

知っておきたい!栽培のポイント

~その1~鳥害に注意!

トマトは病虫害の心配がそれほど多くありませんが、真っ赤に熟した果実が鳥に狙われると致命的です。
ムクドリなどの鳥類が多い地域で栽培する場合は防虫ネットで株全体をぐるっと覆っておくのが確実です。

~その2~直播きも可能!

技術的に難しいと感じる場合は、4~5月暖かくなった頃、プランターへ直播き(点蒔き、各点3~4粒)して、外で同様に栽培することも出来ますし、市販ポット苗を購入して栽培するのもお手軽&確実です。

~その3~連作禁止!

ナス科野菜は連作障害を受けやすい性質があります。栽培期間が丸1年なので、栽培終了後、同じ土とプランターを使ってまた種まきをしたくなりますが、土は交換することをお勧めします。

~その4~ミニ~中玉トマトは摘果不要!

ミニトマトや中玉トマトでは、ついた実をすべて成熟させて収穫することが出来ます。
ただし、大玉トマトの場合、1花房につき3果程度を残して摘果してあげたほうが樹勢が維持しやすく、良品が採れます。

~その5~尻腐れに注意!

トマトは生育にカルシウムを多く必要とします。
定植の際に使用する培養土にはあらかじめ苦土石灰を施しておき、よく混ぜ込んでおきます。
カルシウムが不足すると果実のお尻が変色する生理障害が発生するので、その場合は市販のカルシウム補給用液体肥料の葉面散布で対応するか、苦土石灰をプランターの隅に追加してカルシウム分を補います。
*『石灰』を後から追加すると根を痛めるので、必ず粒状の『苦土石灰』を使用します。

土中のカルシウムが十分あっても、水分が不足すると、カルシウムを十分吸い上げることが出来ず、同様に尻腐れが発生するので、水分量にも注意します。

コラム1~トマトの自然着果、花の構造に隠された秘密!?~

トマトの花の形状は外観的にはこのように、がく(トマトのヘタになる部分)と、花びらと、筒状のおしべから構成されています。

トマト1作目81日目第2花房

雌しべと雄しべがどうなっているのかがこれだけはよく分からないので、着果して自然に落ちた花を分解してみました。
中央にある筒状のもの(雄しべが合着して筒になったもの)を半分に割ってみると、筒の内側には花粉が付着していて、中には雌しべが1本入っています。
本当はこの雌しべの元の部分に子房と呼ばれるトマトの実になる部分がついているのですが、着果して落下した花を分解しているためここにはありません。

トマトの花

トマトは、筒の内側に放出された花粉が、筒の中で雌しべの先端(=柱頭)に受粉して生殖するという非常に効率的な自家受粉を行っています。
花粉を出す花と果実をつける花が別々の植物などでは、虫の媒介が無い限りなかなか受粉が成立しませんが、トマトの場合は、一つの花の中ですべての過程が完結するように出来ているので、虫がいなくても、果実を実らせることが出来るのです!

そのため、あえて虫を呼ぶために蜜を作る必要もなく、実際、トマトの花には蜜がないので、花の根元に口をつけて吸ってみてもツツジのように甘くはありません

コラム2~トマトの裂果対策、雨よけは必須?~

家庭菜園では真っ赤に完熟後、収穫するのが普通ですが、時々、トマトの皮が裂けてしまうことがあります。

フルティカ実割れ

主な原因は、水のやりすぎだったり、雨が直接、果実にあたったりすることによるので、要するに、雨よけをして、水分を人為的にコントロールしてあげれば防止できるのですが、実際問題として、家庭菜園で雨よけ栽培するのはかなり難しいです。

梅雨の時期は、毎日のように雨が降るので、毎日びしょびしょに濡れるトマトを見るのは心配なものですが、実際上、全ての果実が割れてしまうわけではなく、 (品種にもよりますが)一部にとどまる場合が多いので、Yu-Rinのプランター菜園では、雨よけ自体を全く行っていません。

雨よけを行わず、軒下にも入れず、その分、多くの日光に直接当ててあげることで、品種本来の美味しさを引き出します
どうしても割れやすい品種は、赤くなったら出来るだけ早く収穫して、実割れする前に収穫しましょう。

雨よけ栽培はもちろん出来ればベターですが、ビニールで作るとなると手間が膨大になりますし、台風対策も必要になります。『雨除けしなきゃいけないから、トマトは栽培が面倒だなぁ~』と思って、家庭菜園での栽培を躊躇しているかたもいると思いますが、ここはあまり硬く考えず、まずは家庭菜園向けの雨よけを前提としない品種で楽しく取り組むと、意外と、良品が多く採れることに驚くはずです

栽培メモ:フルティカ(タキイ種苗)ゴールデン粒状培養土野菜用レリーフスクエアープランター300深型レリーフプランター600深型ベジタブルポット10号