Yu-Rin流!ナスの育て方

科名

ナス科

栽培難易度

★★★☆☆(栽培が長期に及ぶ上、育苗、整枝の知識も必要)

播種適期

厳寒期の1~2月播種⇒室内育苗⇒5月上旬定植⇒6~7月収穫スタート⇒11月まで収穫というスケジュールがお勧めです。
収量は減ってしまいますが、5月上旬蒔きなら無保温直播きで手間をかけずに栽培することも可能です。

*一般的には苗を購入して栽培しますが、このサイトでは『種から、無農薬で、野菜を、プランターで育てる』ことにこだわっています。一度は種から育て、ナスの一生を観察し、そこから『何か』を感じていただくことをお勧めします。

お勧めの品種

タキイ種苗の「千両二号」がプランター菜園にはお勧めです。

(主な特徴)
・ナスの最も代表的な品種
・果実は濃黒紫色の長卵形
・とげなし千両二号より草勢が旺盛で、栽培管理が容易
・スタミナに優れ、栽培後半まで果実の着果、成熟が安定し、長期栽培に向いている

ブログの栽培記事では小さくてかわいい『小ナス』や、焼きナスに最適な『長ナス』のプランター栽培の様子も紹介しています。
(栽培管理の方法はすべて共通です)

プランター選びと播種法

厳寒期の播種を行って、長期収穫を狙う場合、ポット育苗がほぼ必須です。

多くの家庭菜園参考書や、他サイトで推奨されている特別な『催芽処理』や、高価な『加温育苗器』も、以下の方法なら必要なく、もっと自然な方法で簡便確実に栽培を進めることが出来ます。

育苗用ポット選びと播種

播種、育苗用のポットは鉢の開口部の直径が12cm前後のものを使用します。
ビニール製のポットが一般的ですが、室内育苗用に(もし入手可能であれば)プラスティック製の12cmポットのほうがより好ましいです。
(室内でビニールポットだとどうしても汚くなりやすいので。。。)

プラスティック製12cmポットは100円ショップなどで入手できます。
ちょっと入手しづらいかもしれませんが、兼弥産業株式会社のスリット鉢が手に入れば、育苗環境としては最も理想的です。(普通の鉢とどう違うのかはこちらのサイトに詳しいです。類似品に注意!)

1つのポットに3~4粒、少し間隔を離して種を蒔き、乾燥させないように毎日水遣りを行って、室内で管理します(霧吹きで水遣りすると便利です)。
最終的に1つのポットから1株を厳選しますので、2株定植したい場合は2つのポットで育苗を進めます。

土は専用の「種まき用培養土」である必要は無く、いつも使用しているもので大丈夫です。表面にバーミキュライトを一面に薄く敷いておくと水分の蒸発が抑制され、より発芽しやすい上、室内に置いたときの見た目もきれいです。
置く場所としては、室内の出来るだけ光の当たる場所(=窓際)がお勧めです。

1月上旬播種、種が隠れる程度に土をかぶせ、室内育苗により自然発芽させたナス。播種後2週間弱で一斉に発芽。

千両二号

定植用プランター選び

ナスは栽培期間が非常に長く、播種から撤収まで11ヶ月の栽培となるため、根量も非常に多くなります。
根詰まりによる生育不良を回避するため、出来るだけ容量の大きなプランターを選びましょう。
私がブログで使用している深型レリーフプランター600なら2株、レリーフスクエアープランター300なら1株植えが最適です。

発芽後の管理

ナスで必要とされる発芽後の管理は、水遣り、間引き、支柱立て、 定植、追肥、整枝です。

水遣りのポイント

(定植後)土表面が乾いたら、プランターの排水口から水が勢いよく流れ出るまでたっぷりと与えます。
頻繁に水を与えすぎると根腐れによる生育不良の原因になります(特に冬季は注意)。

間引きのポイント

間引きは成長の様子を見ながら、葉が重なり合わないように2回に分けて行うのが基本です。
状態の良いものを残して、虫害を受けたもの、成育の悪いものを選んで間引きます。

1回目の間引き後(本葉2枚時、1株間引いて2株に)

千両二号

2回目の間引きで1本立ちに(本葉4枚時)。

千両二号

追肥のポイント

室内育苗中は原則追肥は不要です。
元肥入りの培養土なら肥料は不要。
元肥が入っていない培養土や古土なら間引きついでに元肥を1回施し、以降定植まで追肥は不要です。

定植後は定期的に2~3週間に一回を目安に追肥します。
ナスは比較的肥料の吸収がよく、多くの肥料を要求するので、ほかの野菜よりもやや多めに施すのがポイントです。

*よく参考書で肥料の与えすぎによる葉ボケへの注意が記載されていますが、8-8-8など成分が均一の肥料を使う限り、葉ばかりが茂って花芽がつかないというようなことはまずありません。

ナスは花が栄養状態のバロメーターになっているため、花を毎日良く観察するのが追肥のポイントです!

周辺のおしべが中央のめしべより長いと、生育状態が悪く、栄養不足=受粉しにくい=追肥が必要と判断します。
逆に、中心のめしべがおしべより長ければ生育は良好で、何もしなくても受粉成立し、立派な実をつけます。

めしべがおしべより長く、生育状態が良好なナスの花。

千両二号

生育の様子

最終間引きを終えて、室内の窓際で順調にすくすく成長しているナス。
ある程度成長したら下の写真のように割り箸などで仮支柱を立て、麻ひもで軽く誘引してあげると良いです。

千両二号

定植は霜が降りる心配の無いゴールデンウィーク頃が適期(寒い年は少し遅らせます)。
苗は1つ目の花芽がついている状態が理想です(理想であって必須ではありません)。

1つ目の花芽がついて、定植適期を迎えた苗。

千両二号

深型レリーフプランター600へ定植した様子。
定植時、育苗中に使用していた仮支柱は撤去し、太くしっかりした本支柱に交換します。

千両二号

整枝は以下のように行います(千両二号のいい写真が無かったので小ナスの写真を使用しています)。

しばらく無整枝で栽培すると、このように非常に込み合い、実はたくさんつきますが、このままだと長期間スタミナを切らさずに収穫を続けることは難しくなります。

ナス

下の写真は整枝後の様子です(3本仕立て)。
上の写真と見比べると分かりますが、ピンクで中央に書いた第1果のすぐ下の側枝と、さらにその一つ下の側枝を残して、残りは全て切り取っています。
(切った部分は赤丸、残した枝のラインは青色、着果部位はピンクで示しています)

ナスの整枝

無農薬栽培では通常、人工授粉しなくても次々実がつきます。
ミツバチや、各種虫が自然にやってきて、毎日休まず受粉を手伝ってくれるというわけです。

ナスとミツバチ

暑い季節は、ひたすら収穫して、新鮮なナスをたくさん味わいましょう

千両二号

8月下旬~9月上旬頃になると、たくさん実をつけた株は疲れて、実付きが悪くなったり、質が落ちてきたりします。
更新剪定を行って、リフレッシュさせれば、夏ナスよりも美味しい『秋茄子』を楽しむことが出来ます

更新剪定直前の9月上旬の様子。実付きが悪く、株全体に疲れが見える。

ナス剪定前

更新剪定後。これぐらい大胆にカットしてもまたすぐに再生して、美味しい実をつけます。

ナス剪定後

上の写真から2週間後。あっという間に再生&リフレッシュして、またたくさんの花芽をつけてくれます。

千両二号

あとは寒くなる10~11月頃まで収穫を続け、秋茄子をぞんぶんに楽しみましょう!!

千両二号

知っておきたい!栽培のポイント

~その1~虫害に注意!

ナスはハダニやアブラムシなどの小型害虫に好まれます。
放置すると虫を介して病気に感染する場合があるので、定期的に葉裏をチェックし、見つけ次第捕殺するようにします。

~その2~早取りを心がけよう!

あまり大きくすると株が疲れるので、スーパーで売られているサイズを目安に、それと同じか、やや小さいサイズで収穫すると、次々新しい実がつき、結果的に多収になります。
若いナスのほうがあくが少なく食味に優れ、少量の塩をかけて生食しても美味しく頂けます。

~その3~直播きも可能!

技術的に難しいと感じる場合は、4~5月暖かくなった頃、プランターへ直播き(点蒔き、各点3~4粒)して、外で同様に栽培することも出来ますし、市販ポット苗を購入して栽培するのもお手軽&確実です。

~その4~連作禁止!

ナス科野菜は連作障害を受けやすい性質があります。栽培期間が丸1年なので、栽培終了後、同じ土とプランターを使ってまた種まきをしたくなりますが、土は交換することをお勧めします。

~その5~トゲに注意!

ナスはいたるところにトゲがあります。剪定、害虫捕殺、収穫などの際に、怪我をしないよう十分注意してください。

栽培メモ:千両二号(タキイ種苗)ゴールデン粒状培養土野菜用深型レリーフプランター600