はじめての家庭菜園

総合評価 ★★★★★
有機農法を学ぶ上で必携の良書!

書名:有機・無農薬でできる はじめての家庭菜園
著者:金子美登
出版:成美堂出版
出版年:2008年4月
ページ数:191 (カラー)
大きさ:24cm
ISBN:978-4-415-30230-0

レビュー

今回も前回に引き続き、自然に近い農法の紹介になりますが、有機農法が自然農法と根本的に違うのは、農薬や化学肥料を使わない分、人が手間をかけることによってフォローする、という考え方にあります。

自然農法は種まき以外は基本的に放任で、人の手を極力かけず、自然の摂理のままに育てる場合が多いのですが、実際にはそれでは商業に結びつくことはほとんどなく、味は良くても、外見的に良いとはいえない作物が中心に取れてしまうことが避けられません。

有機農法では、農薬を使わないかわりに防虫ネットや寒冷紗などの被覆資材を使用して防虫したり、現代農法と同様な手法で芽かきや誘引、剪定などの手間をかけたり、天然の栄養(堆肥、腐葉土など)を積極的に使用して成長の具合を調節するなどして収穫物を高品質に保ち、一定の市場性も確保しています。

著者の金子さんは有機農法の分野の第一人者で、金子さんがいなければいまの有機農業はなかった、有機農業をやっているのに金子さんを知らないのはもぐりといわれるほどの方です。

金子さんは有機農業、酪農、日本古来の文化をうまく融合させて自然エネルギーの循環を実践されていて、教育にも非常に熱心で毎年国内外から研修生を受け入れるなど、社会的貢献も活発にされています。

現在、NPO全国有機農業推進協議会の代表をする傍ら、自身も農場を経営しているそうです。

この本も非常に良く出来ていて、くわの使い方といったごく基礎の部分から、被覆資材の利用法、害虫の天敵の活用、堆肥、ぼかし肥、(非化学)液肥の作り方、育苗の方法など、有機農業をする上で一通り必要な作業が多数の写真とともに掲載されていて、かなり分かりやすく解説されています。

この本の特徴はとにかく写真が多いこと!

だいたいどのページにも写真が8枚程度掲載されていて、本全体としてはかるく1000枚以上の写真が掲載されていると思います(実際、数えてはいませんが…)。
紙質も良く全ページフルカラーのため、視覚的に理解しやすい上、解説も丁寧で分かりやすい構成になっています。

最初の30ページ+最後の25ページで有機農業の基礎作業を解説し、その他は野菜ごとの各論というページ構成で、有機農法ならではのコツが各所に詳述されています。

有機農法の解説書として、この本以上の本はないと思いますので、久しぶりに5つ(満点)とさせていただきました!


はじめての家庭菜園