プランター菜園コツのコツ

総合評価 ★★★★★
プランター菜園を行う全ての方に必携の一冊!

書名:かんたん!プランター菜園コツのコツ 上岡流 写真図解でわかる逸品づくり
シリーズ:コツのコツシリーズ
著者:上岡 誉富
出版:農山漁村文化協会
出版年:2005年12月
ページ数:159 (カラー+モノクロ印刷)
大きさ:21cm
ISBN:978-4-540-05095-4

レビュー

以前の書評でも農文協の「コツのコツシリーズ」の本を紹介していますが、今回はその2冊目です。

著者の略歴は割愛しますが、現在プランター栽培の第一人者として各方面で活躍されており、大変この分野では著名な方なので、どこかで「上岡流」という言葉を聞いたり名前を見たことがある方も多いのではないでしょうか。

いろいろとたくさんの本を紹介してきましたが、はっきり言ってプランター菜園分野でこの本を超える本はないと断言できます。

非常に内容が的確で、始めたばかりの頃はそれほど良い本であるようには思えないかもしれませんが、時間の経過に伴って(経験が増すほどに)この本の価値が分かってくる、そんな本に仕上がっています。

つまり裏を返すと、一見しただけでは印刷はそれほどきれいでもなく、プロの写真家が撮影したようなきれいな写真でもない上、本のサイズも小さく薄いので、書店になんとなく立ち寄った方が自然に選ぶ本ではないといえるかもしれません。

A4サイズのがっちりした、きれいな写真がいっぱいの本も「見て楽しい」ものですが、この本の価値はその深い内容にあります。

筆者は、自身の自宅の屋上を使って15年間プランター菜園を行うことによって得たノウハウをこの本に凝縮しているので、ありがちな机上の空論ではなく、体験を伴ったまさに実用的なノウハウが記載されています。

*現在流通しているプランター菜園本の中には家庭菜園一般の常識や記載を流用したと見られる本が実のところ多いのですが、プランター栽培にはプランター栽培にしか適用されない特殊性があり、そこまで深彫りして記載された本はごく少ないのが現状です。

また、この本が出版された当初、家庭菜園と名のついた本は数多くありましたが、プランター菜園に特化した本はほとんどなく「プランターで野菜を作るなんて馬鹿げている」と思われていたような時代なのですが、その常識をこの一冊の出版によって大きく転換し、それが現在のプランター菜園ブームに繋がっていると言っても過言ではありません。

本書の構成は、最初の16ページ+最後の7ページでプランター菜園を行う上で知っておくべき一般論が述べられており、その他は全て野菜ごとの各論になっています。

野菜によって多少異なりますが、多くは4ページ構成で最初の見開き2ページ(カラー)で栽培過程を追った写真を掲載、次の2ページ(白黒)で細かなノウハウが記述されているという形式で、計48種類の野菜が紹介されています。

あえてこの本の欠点を挙げるとするならば、(1990年~15年かけて完成させた本だけに)記載の内容がやや古いことがあげられます。

例えば、推薦されている商品や品種が現在は入手不可能であったり、当時はまだ流通していなかったけれども、現在ならもっといいものが流通している資材、品種などもたくさんあるので、そういう意味ではこの本にプラスして多少の新しい知識の補充が必要になるかもしれません。

ただそれを踏まえても、書かれている内容は本当に素晴らしく的確で、この分野のパイオニア的存在であることに間違いはありませんので、久しぶりに総合評価は満点とさせていただきました!


プランター菜園コツのコツ