完全版・農薬を使わない野菜づくり

総合評価 ★★☆☆☆
自然農法のパイオニア的な参考書!

書名:完全版・農薬を使わない野菜づくり 安全でおいしい新鮮野菜80種
著者:徳野雅仁/著
出版:洋泉社
出版年:2001年3月
ページ数:285 (モノクロ)
大きさ:23cm
ISBN:4-89691-522-4

レビュー

本のタイトルからは、無農薬農法に関する内容を想像してしまいますが、実際には『自然農法』に関する本です。

農法にはいろいろあって、それぞれに特徴がありますが、人為性の高い順に並べると以下のようになります。

現代農法(農薬+化学肥料、以前本のレビューで紹介した永田農法なども含む)

無農薬農法(無農薬+化学肥料)

有機農法(無農薬+自然肥料)

自然農法(不耕起+不除草+無肥料+無農薬)

厳密に書くと、さらにそれぞれの農法ごとに細分化することができますし、また、有機農法でいう「無農薬」は完全な無農薬ではなく、特定農薬の使用については認められているなど、細かい部分もありますが、おおまかに分類するとこのようになります。

この本は無農薬農法ではなく、自然農法に関する本なので、なぜ、耕してはいけないのか、なぜ雑草を抜いてはいけないのか、なぜ農薬や(化学)肥料を使ってはいけないのかを具体的な説明を交えて解説しています。

この本を読めば、なんとなく『雑草を抜いて肥料を施さなければ野菜は育たない』と当然のように信じ込んでいた価値観を変えるきっかけが得られるかもしれません。

筆者によると、雑草は本来、日陰を作ることによって土壌を保湿したり、無駄な栄養を吸収して土の栄養バランスを整え、また、ある時期になると枯れて土に還り、土壌の栄養供給源になるなど、野菜の生育にも重要な役割を担っているといいます。

耕さなくても雑草が根を張ることで自然に土は耕され、霜からも作物を守ってくれる上、害虫が発生しても雑草が先に犠牲になったり、天敵を呼び込むことによって作物の被害は限定的となるなど、雑草を生やしたままにする利点がところどころで論理的に言及されています。

本書は日本で初となる自然農法の参考書として1980年に発刊され、改定を重ねて完全版となる本書に至っています。18ページまで概論を解説し、以降は野菜ごとの各論が記載されています。

内容的にちょっと古い部分があるのと、白黒印刷で写真ではなくデッサンであるため、ぱらぱら見て楽しめるような本ではなくかなり読みづらいものがあるのですが、自然農法の内容的には説明も具体的かつ論理的で分かりやすくなっているため、総合的には星2つの評価とさせていただきました。


完全版・農薬を使わない野菜づくり