岩崎さんちの種子採り家庭菜園

総合評価 ★☆☆☆☆
普通のおじいちゃんが採種に励む様子を綴った一冊

書名:岩崎さんちの種子(たね)採り家庭菜園
著者:岩崎 政利
出版:家の光協会
出版年:2004年2月
ページ数:159 (1~63ページ:カラー、64ページ~159ページ:二色刷)
大きさ:26cm
ISBN:4-259-56069-7

レビュー

本書は、特に農業研究に従事しているわけでもなく農業大学を卒業したわけでもない、いたって普通の農家のおじいちゃんの採種に励む様子がつづられています。

そのため、採種に関する詳細な正しい情報よりも、むしろ岩崎さん(著者)の種子採りに望む精神論、エッセー、種子採りに励むきっかけとなった昔の体験などが主体で、科学的に言って正しいかどうかは関係なく、岩崎さんが思う種子採りの『持論』が展開されています。

そのような意味で、他書である程度の知識があり、こういう考え方でとりくんでいる人もいるんだなぁ~という読み方をする分には良いと思いますが、まったく知識が無い中で採種の方法を学ぶために読む本としては、根拠の無い持論などが多く不適切な部分も多々あり、注意が必要です。

本書の構成は、64ページまでは精神論、エッセーであり、特に採種のノウハウについては述べられていません。

採種に関する方法論は65ページ以降、各野菜ごとに記載されていますが、実際には66ページから69ページの概論がこの本に記載されているノウハウのすべてであり、以降の記載を読んでも特に新しく得る知識はないようです。

というのは、果菜、葉菜、根菜それぞれの基本的な採取法を知ってしまうと、すべて同様にして他の野菜でも採種ができてしまうため、品種ごとに記載してもほぼ同一の内容が続くだけだからです。

しいていえば、種子まきの時期、種子採りの時期が品種ごとに違うことや、各野菜に対する岩崎さんのエッセー的内容が含まれているため、それが何かの参考になるかもしれません。

エッセー部分は右に文章、左のページにそのエッセーにふさわしい『イメージ写真』1枚が掲載されていて、カラー印刷。

本題の種子採りのノウハウの部分(65ページ以降)は二色刷で、写真は全くなく、かわりに簡単な絵が掲載されています。

本書はAmazonでこの分野の本としてはかなり売れていたため、期待して読んだ本なのですが、実際には全体的に内容が非科学的であり、採種のノウハウ部分には写真が無く実用書としては分かりづらく、特に有名人のエッセーならまだしも、無名の農家のおじいちゃんのエッセーを読んでも…ということで、総合評価は1点とさせていただきました。


岩崎さんちの種子採り家庭菜園