野菜のソムリエ

総合評価 ★★★★☆
野菜を美味しく食すノウハウが満載!

書名:野菜のソムリエ おいしい野菜とフルーツの見つけ方
著者:製作=日本ベジタブル&フルーツマイスター協会, 監修=青果物健康推進委員会
出版:小学館
出版年:2003年3月
ページ数:160 (カラー)
大きさ:21cm
ISBN:4-09-371212-3

レビュー

家庭菜園を行うからには、野菜そのものの性質に関する知識も広く習得し、生かしたいものです。

本書はタイトルからも分かるとおり、野菜のソムリエ資格習得のための参考書であり、美味しい野菜の見分け方、最適な保存法、栄養、調理法など、『野菜を収穫した後』に役立つあらゆる知識が詳述されています。

野菜のソムリエというのは、最近多くのお笑い芸人や女優などが取得して有名になった民間資格で、正式名称はベジタブル&フルーツマイスターといいます。

この資格を取ったところで、特になにかが良くなる、有利になるという事はなく、定められた講習に参加して簡単な試験に合格すれば、誰でも取得することができます。

ただ、公的な資格ではなく、民間の(営利目的の)資格なので、非常に高額な資格取得費用、更新費用がかかり、特に取得した後のメリットも少ないので受験することはあまりお勧めしないのですが、家庭菜園と関連して知識として知っておいたほうがよいことも多いので、興味のある方は勉強だけしても損することはないと思います。

1~24ページで野菜のソムリエ知識全般(栄養、旬、保存、調理など)について触れられた後、25ページ以降、野菜ごとの各論が記載されています。

美味しい状態の野菜(=よい環境で栽培され、適期に収穫され、食べごろになった状態)が野菜ごとにカラーで写真掲載されており、ポイントも分かりやすく書かれているので、本書をマスターすれば、八百屋さんで、その野菜の鮮度がどうか、美味しいかどうかまで、ある程度判別できるようになります。

たとえば…

根の毛穴が多いのと、少ない大根、どちらが良品?
キャベツの場合、重いほうが良品とされているのですが、レタスだとどうでしょうか?
葉の縮れが多いパセリと、少ないパセリ、どちらが良品?
春菊の場合、茎に触ると折れそうなものと、しっかりしたもの、どちらが良品?
(答えは一番下に記載しておきました)

こういう知識を基本として知っておけば、家庭菜園で野菜を育てる場合にも、それを気にかけて栽培することが出来ますし、お買い物のときにも、良品を見分け、選んで、購入することが出来るようになり普段の生活でも役に立ちます。

本書の悪いところはあまりありませんが、多少、品種特性に関する配慮が足らないと感じるところもありました。たとえば、ナスはとげがしっかり出ているものが良いとしていますが、実際にはもともと「とげなし」の品種も最近は出回っていますし、同様な品種特性による根本的な違いが他の野菜についてもいえ、厳密な意味で、正確とはいえない部分があります。

ただ、厳密すぎる本は逆に、初心者にとって読みづらい場合がありますし、このサイズの本で、要点をまとめようとするならば、結局、細かな例外に言及するよりも一般論としての知識を詳述したほうが読者にとって分かりやすいので、妥当なところで良くまとめられていると感じました。

そういう意味では、何事も知識より、実践が大切ですので、自分が食べている野菜を良く観察し、どういう野菜が自分にとって美味しい野菜だったのかという経験を積むことが本来、一番大切なのかもしれません。

自分で観察するだけではなかなか気づきにくいチェックポイントや一般論を知る上で、本書は大変参考になり、野菜知識を増やしたい人にはお勧めの一冊です。


野菜のソムリエ

答え…
毛穴は少ないほうが良い
レタスは軽いほうが美味しい
パセリの縮みは多いほうが良品
春菊は触って折れるほどやわらかいものが良品