Yu-Rin流!アスパラガスの育て方

科名

クサスギカズラ科(アスパラガス科、古い分類においてはユリ科)

栽培難易度

★★★☆☆(病虫害が少なく、管理も容易。一度植えれば15年程度収穫可能)

播種適期

3月下旬蒔き(育苗) ⇒ 7月定植(鉢増し) ⇒ 2年ほど養成 ⇒ 3年目から毎年春収穫

*2014年の春に植えると2017年の春から本格的な収穫が可能となりますが、2年目も若干は収穫可能です。3年目は1ヶ月間程度の収穫、4年目は1.5ヶ月間、5年目以降は毎年2ヶ月間程度収穫出来ます。

*すぐに収穫が可能な大株苗を園芸店で入手することもできます。3年も待てないという方は苗を購入してしまうのが最も手軽でお勧めです。

お勧めの品種

サカタのタネの「ウェルカム」がプランター菜園にはお勧めです。

(主な特徴)
・アメリカ系、F1種
・緑色、太茎種
・代表種=メリーワシントン500Wに比べ、収量性が高く、頭部のしまりも良い

*入手性が悪く高価ですが、HLA-7(ガインリム)もお勧めです。

プランター選びと播種法

アスパラガスは非常に大きく根を張るため、最終的にかなり大きなプランターに定植する必要があります。育苗はレリーフプランターを利用して多数並行して行い、優良苗を厳選する方法がお勧めです。

播種のポイント

アスパラガスの種はこんな形をしています。片方の面はつるつるなのですが、その裏が巾着袋を閉じたような形になっています。

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アスパラガスは野菜の中で最も発芽しにくい部類に入るので、このまま土に植えてもなかなか発芽してくれません。1~3日程度、水に浸してから蒔きましょう。
↓こんな感じ(種が完全に水につかるようにして1日以上置きます)

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播種はレリーフプランターへ1粒ずつ点まきし、その後、水を十分に与え、しばらくの間乾かさないように管理します。アスパラは発芽温度がやや高い(25~30℃前後)ため、2~4月蒔きの場合はビニールトンネルで密閉して温度を稼ぐ必要があります(ゴールデンウィーク以降の播種においては無被覆で問題ありません)。

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*上の写真のとおり幅が65cmのレリーフプランター650を使用する場合、2条、各列5点、合計10点程度が目安。後述する「若茎」との区別が困難になり間引きが難しくなるため、必ず1点に1粒だけを蒔くこと。

発芽の様子

発芽直後の姿。発芽及び生育に関して揃いは悪いですが種が隠れる程度に土をかぶせ、毎日水遣りを行えば2~3週間で発芽します。

発芽直後はアスパラガスとは思えない姿をしています。アスパラは耐寒性が強いため、発芽促進のためにビニールトンネルを使用していた場合はひととおり発芽した段階で(徒長防止のため)無被覆に移行しましょう。

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発芽後の管理

アスパラガスに必要とされる発芽後の管理は、水遣り、間引き、追肥、定植です。

水遣りのポイント

土表面が乾いたら、プランターの排水口から水が勢いよく流れ出るまでたっぷりと与えます。
頻繁に水を与えすぎると根腐れによる生育不良の原因になります(特に冬季は注意)。

間引きのポイント

間引きは葉(擬葉)がある程度展開し、株の優劣がはっきりした段階で10株 ⇒ 5株とし、さらに7月中旬ごろに掘り起こしを行って、最も優秀な2株を選抜、大きなプランターへ植え替えます。

(長くなるので後述の「生育の様子」で詳しく解説します)

追肥のポイント

元肥が含まれない培養土や古土を使用する場合、間引きの時に元肥を施しますが、栽培期間が長いので、定期的な追肥も不可欠です。

2~3週間に1回程度、葉色を見ながら定期的に追肥し、成長を促進します。

葉の色合いを見て明らかに栄養不足と考えられる場合は、液肥で対応します。
*水のあげすぎや日照不足による生育不良を肥料不足と見誤って追肥してしまうと逆効果!

生育の様子

発芽翌日のアスパラガス。前の写真と見比べると一日で驚くほど成長していることがわかる

マクロレンズで撮影したため外見的には確かにアスパラっぽくみえるものの、実際の茎の太さは1mm以下、とても小さいです。

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発芽から半月ほど経つと、松の葉のような針状の『擬葉』と呼ばれる器官(厳密には葉ではなく、茎の一種)が展開し、スーパーで売られているアスパラガスとは似ても似つかないような姿へと成長します。擬葉が展開した頃を目安に以降、定期的な追肥を行いましょう。

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擬葉が展開して1~2週間もすると、1粒しか種を蒔いていないのにまた新たな芽が出てきます。

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これは『若茎(わかくき)』といい、タネから発芽したのではなく、タケノコと同じように根が分けつして新しい若茎(新芽)が誕生したことによるものです。

アスパラガスの場合はこの若茎が食用になりますが、まだ1年目なので新芽は非常に細く食用には向きません。年を重ねるごとに太くなり、最終的に市販のアスパラガスのような太さの芽が毎年春に出てくることになります。

各株から若茎が出揃ったら1回目の間引きを行います。

(間引き前=10株)

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(間引き後=5株)

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間引きによって5株まで減らしていますが、1つの親株(親茎)から分けつした根によって、このようにたくさんの子株(若茎)が出ているため、実際にはかなりの本数が残っていることになります(残す株の若茎まで抜いてしまわないように注意)。

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アスパラの場合(形状的に)密集しても風通しが良く、若茎についてそれほど神経質に管理する必要もありませんが、目安として、1つの株の若茎が10~15本になったら太い5本を残して他は間引いて管理すると良いです。

ある程度大きく育ったら、若茎と親茎をゆるく麻ひもで結んでおくと、風で株が倒れてしまう心配がありません。

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株のサイズがさらに大きくなってくると、状況によっては若茎もろとも倒れてしまう場合があるので、株ごとに支柱を立てて麻ヒモで誘引したり(下の写真)、ヒモを張り巡らせてしっかり茎を周囲から固定してあげましょう。

(播種から約半年後のアスパラガス)

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春蒔きの場合、7月頃になると株のサイズが50cmを超え、レリーフプランターでは小さすぎる状態になるため、もっとも優良な株、2株(もしくは1株)を掘り起こし、深型レリーフプランター600などの大型プランターに植え替えます。

慎重に(可能な限り根を切らないように)掘り起こしてください。

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ニラの株分けを行ったことがある方は見慣れた形だと思いますが、このように根が分けつして複数の茎が1つの株から伸びていることが良く分かります。

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これを深型レリーフプランター600に植え付けて、周辺に麻ひもを張り巡らせて倒伏を防止すればあとは細かな作業はほとんどありません。定期的な追肥だけ忘れないように管理しましょう。

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尚、毎年12月になるとアスパラガスはすっかり枯れ上がってしまいます。

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このままだと最終的に腐って病気の原因になるので、枯れたら地際からはさみでカットしておきましょう。

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翌年春(播種、2年目)、一斉に芽を出し新芽を収穫することが出来ます。

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2年目は3年目以降の生育を促進するため最初の1回だけ収穫し、以降は収穫を控え、株を養成します。発芽する数が少ないなど、外見的に元気が無い場合は収穫せずに光合成を促し、根にしっかりと養分を蓄えさせましょう。

収穫は指でぽきぽきと折り取るのがお勧め!硬くすじっぽくなってしまった部分(地際付近)はしなって折れないので、折れるところから収穫することで美味しいところだけを簡単に摘み取れます

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あとは特に手間もかからず15年程度は収穫を楽しめます。

ちなみに3年目の発芽の様子(2014年4月撮影)はこんな感じ。年を重ねるごとに太くしっかりしたアスパラガスに成長し、軽く茹でるだけで十分な食べ応えがあります

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本格的な収穫までに非常に長い時間がかかるのが難しいところではありますが、3年我慢すれば以降10年以上、ほとんど手間要らずでアスパラガスを楽しむことが出来ます。是非ご家庭で栽培して、採れたてのアスパラのうま味を味わってみてください。

知っておきたい!栽培のポイント

~その1~病虫害に強い!

時々バッタやカタツムリなどの大型害虫が発生することがありますが、基本的には病虫害被害はほとんど発生しません。無農薬栽培では防虫ネットの使用が基本になりますが、アスパラガスの場合は無農薬、無被覆で問題ありません。

~その2~収穫スケジュールを守ろう!

2年目であまり多く収穫してしまうと3年目以降の株が痩せてしまい中長期的に栽培を楽しむことが出来なくなってしまいます。以下を目安に株への負担をかけすぎないように注意しましょう。

1年目:株の養成に専念
2年目:0~1回収穫
3年目:1ヶ月間収穫
4年目:1.5ヶ月間収穫
5年目~:2ヶ月間収穫

~その3~冬季は地上部カットを忘れずに!

アスパラガスは毎年冬になると枯れて、春になるとまた芽を出します。枯れた地上部をそのままにしておくと病虫害の原因となるため枯れたら早めに地上部を株元から切り取っておきましょう。

~その4~毎年土の入れ替えを!

15年間の栽培となるとさすがに培養土が微細化してしまったり、土表面がコケなどで汚くなってしまいますので、毎年春前に土の交換を行いましょう。

もちろん、掘り起こして新しいプランター+新しい培養土を利用するのが理想ですが、実際に毎年それをやるのは面倒・・・という方は以下の方法がお勧めです。

3月中旬頃、まだ芽が出る前のタイミングで、微細化した表土を取り除きます。内部の土の状態は通常良好なので、そのまま残します(時期が早すぎても駄目、深夜に水が凍らない程度の気温になってから行うのがポイントです)。

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株を取り出さずに、そこへ新しい培養土を加えれば劣化した表土部分がリフレッシュされ、排水性などが復活します。

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この方法だと掘り起こすよりも圧倒的に手間が少なく、年一回程度であれば無理が無いと思いますのでお試しください

プランター寿命の問題や土の衛生の問題もあるので、5年目、10年目はプランター+培養土全体の交換(植替え)を行いましょう。

栽培メモ:ウェルカム(サカタのタネ)ゴールデン粒状培養土野菜用深型レリーフプランター600レリーフプランター650