Yu-Rin流!小松菜の育て方

科名

アブラナ科

栽培難易度

★☆☆☆☆(最も易しい、初めての家庭菜園にもお勧め!)

播種適期

品種にもよりますが、小松菜は周年栽培が可能です。つまり年中、いつでも栽培が可能です!
ただし、厳寒期や真夏は、(冷害や害虫等で)やや難易度が増すため、プランター菜園の経験が浅い方は、4月~7月、9月~11月の中間期がお勧めです。

お勧めの品種

タキイ種苗の「楽天」がプランター菜園にはお勧めです。

(主な特徴)
・周年栽培が可能
・生育が旺盛(極早生)で病気にも比較的強い
・極立性(葉が横に広がらずまっすぐ上に伸びる)であるため、株間を狭くとれる(それだけ収量が上がる)
・F1種の中では比較的食味が良い

栽培難易度はぐっと上がりますが、スーパーで売っている小松菜のイメージからは想像出来ないほど美味しい、『ごせき晩生』も中級者以上にはお勧めです。

プランター選びと播種法

小松菜は栽培期間が短いため、どんなプランターでも良く育ちます。
レリーフプランター650なら2条、ベジタブルプランター浅型600なら3条まきがお勧め。
播種間隔は0.5cmが一応の目安です。

ベジタブルプランター浅型600、3条まき、発芽直後の姿。

小松菜3作目7日目

間引き菜が美味しいので、ベビーリーフ収穫用に少し厚めに蒔いてもまったく問題ありません。

種が隠れる程度に土をかぶせ、毎日水遣りを行えば3日ほどで発芽します。
発芽率は非常に高く、蒔いた種の数だけ発芽してくれます。

発芽後の管理

小松菜で必要とされる発芽後の管理は、水遣りと間引きです。元肥が十分に施されているという前提で、追肥は基本的に必要ありません。

水遣りのポイント

土表面が乾いたら、プランターの排水口から水が勢いよく流れ出るまでたっぷりと与えます。
頻繁に水を与えすぎると根腐れによる生育不良の原因になります(特に冬季は注意)。

間引きのポイント

間引きは本葉が1~3枚の間に2回に分けて行うのが基本です。
状態の良いものを残して、虫害を受けたもの、成育の悪いものを選んで間引きますが、適期だとほとんど差が出ず、どれも良く育つ場合が多いので、現実的には株間を意識して、『場所を基準に』間引くことが多いです。

間引き前の姿

小松菜発芽

1回目の間引き後。本葉が2~3枚のときにもう一回間引いて最終株間に調節します。

小松菜

プランター菜園における最終株間は4~5cmが目安。
大株に育てたい場合は6cm、小株を早取りしてやわらかい食感を楽しみたい場合は3cmでも良く育ちます。

間引きのポイント(応用編)

慣れてきたらわざと厚めに播種を行い、ぎりぎりまで間引きせず粘って、一回の間引きで最終株間に調整することも可能です。こうすると美味しいベビーリーフ=間引き菜がたくさん収穫できます(上級者向け)。

間引きせずに密植栽培中の小松菜。こんなに高密度でも元気に良く育つ。

小松菜6作目21日目

追肥のポイント

栽培期間が短いので原則追肥は不要です。
元肥入りの培養土なら肥料は不要。
元肥が入っていない培養土や古土なら間引きついでに元肥を1回施し、以降追肥は不要です。

葉の色合いを見て明らかに栄養不足と考えられる場合(葉色が薄い、黄色っぽい)は、即効性の固形肥料を追肥するか、液肥で対応します。
*水のあげすぎや日照不足による生育不良を肥料不足と見誤って追肥してしまうと逆効果です。

生育の様子

最終間引きを終えて、順調にすくすく成長している小松菜(品種:ごせき晩生)。

ごせき晩生

暖かい季節なら一ヶ月ほどで、こんなに立派に育ちます!(品種:楽天、収穫適期の様子)

楽天

収穫した小松菜はお浸しにしていただくと素材本来の味が楽しめますよ

ごせき晩生

知っておきたい!栽培のポイント

~その1~虫害に注意!

小松菜はアブラナ科なので、害虫に非常に好まれます。
播種直後から収穫直前まで、防虫ネットを使用して、害虫の侵入を防ぐことが無農薬でも虫食いの無いきれいな小松菜を収穫するポイントです!
また、防虫ネットの使用有無を問わず、毎朝、葉裏をチェックして、アブラムシやコナガなどの害虫は見つけ次第捕殺します。
⇒防虫ネットについてはこちらの記事を参照してください。

~その2~早取りを心がけよう!

大株にすると、見た目は立派ですが、硬くなって食味が落ちます。スーパーで売られているサイズを目安に、それと同じか、やや小さいサイズで収穫すると、本来の柔らかで風味豊かな食味が楽しめます。

~その3~冬季はビニールトンネルで生育促進!

真冬に栽培する場合はビニールトンネル保温が必要です。詳しくは『道具選びのポイント>保温用ビニール』のコーナーや、過去の小松菜栽培記事を参照してください。

コラム1~一番美味しい小松菜品種?~

小松菜は古くから収穫量の向上や耐病性、耐寒性、耐暑性の付与などを目的として、たくさんの品種が開発されていますが、一番『美味しい』のはどの品種か、皆さんご存知ですか?

人によって好みや味覚が異なる以上、『一番美味しい』という順位付け自体、意味のない愚問であることは疑いのない事実ですが、それでも、品種によって味や 歯ざわりにそれぞれの特徴がありますし、栽培性(生産性)の向上を目的に品種改良され続けてきた現在の小松菜が、本当に『美味しい』のかは、疑問がもたれるところです。

また、高齢の方が「昔は、それぞれの野菜が本来のしっかりした味や香り、クセ、主張をもっていたものだが、最近の野菜は味も香りも薄く、本当の野菜の味がしない」とお話されているのを聞いたことがあるかたは多いのではないでしょうか?

考えてみると、最近の野菜はクセがなく、よく言えば『食べやすい』のですが、独特のうまみや香りも薄いような気がします。

そんな中、東京都では昔の伝統野菜を復活させようというイベントや取り組みが行われ、東京農総研・江戸川分場ではコマツナの食味、食感に関する科学的検証も行われています。東京農総研の森らが平成19年に発表した研究成果(資料1資料2)によると、1965年から市販されている昔ながらのコマツナ固定種「ごせき晩生」が大変おいしいとされている理由は、その苦味の少なさとやわらかさ、歯切れの良さにあるといいます。

そしてそれが、科学的な試験(破断応力=やわらかさ、破断応力を経時値で除した値=歯切れの良さ、アミノ酸組成の分析値=うまみや苦味)からも裏付けられ、『ごせき晩生』が美味しいとされる理由が明らかにされています。

一方、最近開発された品種は、栽培が容易である反面、硬さやすじっぽさ、苦味の強さという面で『ごせき晩生』に食味が劣っており、交配種「夏清水、シーエムキング、はるみ、なっちゃん」はコマツナ本来の食感とは異なることが裏付けられたと結論付けています。

現在、農家で栽培出荷され一般に流通している野菜はもちろんのこと、家庭で行うプランター菜園でも、一代交配種(F1種)が栽培の容易さから最も一般的 で、実質的にほぼ全てのシェアを独占している状態ですが、『本当に美味しいこだわりの野菜を自分で作りたい』というのであれば、まずはF1種で栽培技術を磨き、自信が出たところで昔からある『ごせき晩生』のような優れた伝統品種に挑戦してみるのも良いかもしれません

コラム2~『小松菜』という名の由来~

小松菜は江戸時代にククタチナ(くくたち=中国原産のかぶの一種)を品種改良して作成されました。武蔵国葛飾郡小松川村(現在の東京都江戸川区小松川周辺)で多く栽培されたことから『小松菜』と呼ばれるようになったとされています。

かの有名な将軍 徳川吉宗が鷹狩の際、香取神社に立ち寄ったときに命名したという説が有力で…
吉宗「ほう、この菜っ葉はなかなかの美味じゃのう。なんと申す?」
神主「はっ、な、菜っ葉は菜っ葉にございますが…」
吉宗「そんなこと見れば分かるわ!では質問を変えよう。どこでとれた菜っ葉じゃ?」
神主「はっ、確か…、小松川周辺でよく栽培されている菜っ葉にございます…
吉宗「ふむ…。小松川で取れる菜っ葉とな…。よし!では、今日からこの菜っ葉は『小松菜』じゃ
と、言ったかどうかは正直良くわかりませんが徳川吉宗(一部に綱吉という説も有ります)が小松菜を大変気に入り、命名したことは間違いなさそうで、その証拠に、香取神社にはいまも小松菜命名の記念碑が残されています。

栽培メモ:楽天(タキイ種苗)ゴールデン粒状培養土野菜用ベジタブルプランター浅型600