かいわれ大根の育て方

かいわれ大根の育て方・栽培方法

ビタミン、ミネラルなどの栄養価が高く、健康野菜として注目されるかいわれ大根(カイワレ)は、スプラウトに分類され、時期を選ばず手軽に室内で栽培することが出来ます。

この記事では透明ガラス瓶を利用したかいわれ大根の栽培方法をご紹介します。1週間程度で収穫することが出来、土を使うこともなく、水だけで衛生的に栽培することが出来るので、はじめての家庭菜園体験にもお勧めです。

基本データ
栽培難易度 
名称・別名貝割れ大根(カイワレダイコン)、カイワレ
科名アブラナ科
英名White radish sprouts, Daikon radish sprouts, Radish sprouts
原産地地中海沿岸
播種適期周年
種のまき方バラ蒔き
発芽適温20~25℃
生育適温20~25℃
発芽日数1日
最適容器広口ガラス瓶、ジャムビン

Step 1:必要資材の準備

かいわれ大根を栽培するために、まずは必要となる資材や道具を揃えましょう。

かいわれ大根は家庭菜園とはいっても、土は不要で、タネ以外はすべて100円ショップで購入することが出来ます。

タネ

どのメーカーのものでも構いませんが、ダイコン用のタネではなく、必ず「スプラウト用」と明記されている無消毒種子を購入してください。

広口ガラス瓶

今回は幅67 mm, 高さ74 mmのガラス瓶を使用します。上面と、底面がほぼ同じサイズの円柱状(ずん胴)だと作業がしやすいです。

アルミホイル

遮光に使用するだけなので、キッチンに常備されている一般的なもので構いません。

コットンパフ

100円ショップなどで購入できる安価なもので構いませんが、やや厚手のもののほうが良いです。今回は、綿100%、5 mm厚、5 x 6 ㎝のパフを使用します。

霧吹き

霧状に水を優しくスプレー出来れば良いので、100円ショップの安価なもので構いません。

Step 2:ビンの消毒

かいわれ大根は、光が当たらない湿度の高い環境で育つこともあり、特に注意したいのが雑菌です。

かいわれ大根栽培に使用するガラスビンは、予め熱で消毒・殺菌しておきましょう。殺菌方法はいたって簡単で、良く洗浄した透明ガラス瓶に熱湯を注ぎ、10秒ほど待ってから、お湯を捨てるだけで十分です(厚みのあるガラス瓶を使用する場合は、急な温度変化によって割れてしまうことがあるので十分注意してください)。

ビンの熱湯消毒

Step 3:種まき・遮光

ガラスビンの底にコットンパフを4枚程度敷き詰め、水道水を含ませて表面を平らに整えた後、重なりあわないようにタネをまきます。タネが偏ってしまった場合は、お箸の先端などを利用して均一にしておきましょう。

かいわれ大根の播種

均一にタネを蒔くことが出来たら、タネが動いてしまわないように少し遠くから霧吹きで水をかけ、タネ全体を湿らせます。

次に、ビン全体をアルミホイルで遮光します。遮光の方法ですが、アルミホイルを瓶に巻きつけて、上部はすぼめて煙突状にしておきます。こうすることで一定の通気が確保され腐敗を防止することが出来、同時に、十分な遮光も得られることになります。

アルミでビンを遮光する

上からみるとこのようになります。長方形のアルミホイルの中心にビンを置いて、アルミを上側に持ち上げてビンの底部と側部を包み込むのですが、最後に、人差し指を差し入れながら、上部をぎゅっとすぼめると簡単にこのような形を作ることが出来ます。

通気を確保して腐敗を防止

このまま一晩放置して、発芽を待ちましょう。

Step 4:育成・緑化・収穫

播種後、一晩で一斉に発芽します。

かいわれ大根の発芽

以降の栽培手順ですが、1日1回、アルミ箔を開けて、霧吹きでやさしく水をかけ、再びアルミホイルで遮光することを繰り返します。

カイワレは胚軸(白い部分)と、子葉(緑色の双葉)が食用となりますが、胚軸を白く、長く、柔らかくするために、霧吹きで水分を補うとき以外は常にアルミホイルで遮光し続け、あまり光をあてないようにしましょう。

白カビ?

タネから根が出た後に、その根の周囲に白い綿状のものが発生することがあります。一見すると「白カビ」のようにも見えますが、この白い綿の正体は、水分を取り込むために主根から発達した「根毛」と呼ばれる根の一種です

かいわれ大根の根毛

雑菌とは関係が無く、害があるわけでもありませんので、ご安心ください。

発芽した翌日になるとさらに成長し、ビンの中がびっしりと詰まりはじめます。

成長中のかいわれ大根

上の写真を横から見ると下の写真のようになります。この頃には脱脂綿の内部にしっかりと根が張るようになるため、霧吹きは使わずに、ビンのふちに沿わせるようにして直接水道水を流し入れ、ビンを傾けて水を捨てるのがお勧めです。またその際、水をあふれさせながら、しばらく流水を流し続けると、茶色い種の皮が水に浮いてビンの外に流れ出るので、簡単にタネの皮だけを取り除くことが出来ます。

播種後2日目のかいわれ大根

下の写真のように、かいわれ大根の先端がビンから飛び出すサイズになったら、以降はアルミホイルを外して光に当て、葉を緑化させましょう。

4日目のかいわれ大根

柔らかい日差しが差し込む窓際に置いておくのが理想ですが、明るい室内に放置しておくだけでも十分に葉を緑化させることが出来ます。

下の写真は半日ほど光を当てた後の状態ですが、かなり緑化が進んでいるものの、まだ色が淡く、双葉も閉じているものが多いことが分かります。

かいわれ大根:半日ほどで緑化する

下の写真のように、葉の色が緑色になり、双葉が開いたら収穫の適期です!

収穫適期のかいわれ大根

気候や環境を問わず、いつでもキッチンで手軽に栽培することが出来るので、是非チャレンジしてみてください。

栽培のポイント・注意点

雑菌と黒カビに注意

新芽を可食部とするスプラウト類全般にいえますが、特に注意したいのが雑菌です。使用するビンは必ず事前に熱湯で消毒し、栽培中も出来るだけ直接手でかいわれ大根に触れることがないようにしましょう。

細菌を繁殖させないためには、適度な通気を確保することが重要です。ビンに付属している蓋を使用し「密栓」すると、細菌が繁殖して腐ることが多いです。

このページに記載したように上部を煙突上に開放しておけば、細菌が繁殖して腐ってしまう可能性は低くなりますが、高温多湿となる6月~9月は栽培中に黒カビが生えて失敗することがあるため、慣れるまではこの時期を避けるのが無難です。

適切な時期・方法で、複数回試しても、再現性良く黒カビが発生してしまう場合は、タネ自体が黒カビに汚染されている可能性が高いといえます。特に、スプラウトの種は無消毒で市販されているため雑菌に汚染されやすい性質があります。何度試してもうまくいかない場合は、新しいタネを購入して再チャレンジしてみてください。

スプラウト専用種子を使用する

スプラウト類は必ずスプラウト専用の無消毒種子を購入してください。一般に売られている大根のタネは農薬で種が消毒されている場合があり、これをスプラウト栽培に使用してしまうと残留農薬の観点から非常に危険です。

水道水を使う

スプラウト類を、浄水器の水、アルカリイオン水、ミネラルウォーター、井戸水などで育てると、カビや雑菌が繁殖しやすいので、必ず、水道水を使用するようにしてください。

2 COMMENTS

「昏き夜会」と書き【ナイトメア】と読ませる

技術の授業で使いました。
とても役に立ちました。
有難う御座います。

返信する
Yu-Rin

「昏き夜会」と書き【ナイトメア】と読ませる さんへ

コメントありがとうございます。
お役に立てたようで何よりです。
また是非、ご訪問ください。

Yu-Rin

返信する

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