シソはハーブの一種であるため、あまり日の当たらない環境でも旺盛に育ちますが、寒さには弱く虫害も受けやすいため、初めて栽培する場合は4月上旬頃の種まきがお勧めです。
この記事では最も一般的な「青シソ(固定種)」をプランターで種から栽培する方法をご紹介します。
(苗を購入して栽培する方は前半を適宜読み飛ばしてください)
基本データ | |
難易度 | |
名称・別名 | 紫蘇(シソ)、大葉(オオバ) |
科名 | シソ科 |
英名 | Shiso |
原産地 | 中国 |
種まき適期 | 3月中旬~5月上旬 |
種のまき方 | 点まき |
最適プランター | レリーフプランター650 |
Step 1:必要資材の準備
シソをプランターで栽培するために、まずは必要となる資材や道具を揃えましょう。
はじめての家庭菜園でどれを買ったら良いか分からない場合は、この記事で使用している以下の資材一式を購入し、記載の手順通りに育てれば初心者でも失敗無く収穫することが出来ます。特に、種の品種は耐病性や育てやすさに大きく影響するため、初めて栽培する方には以下の品種の使用をお勧めします。
- 種
青シソ(固定種) - プランター
レリーフプランター650 - 培養土
ゴールデン粒状培養土野菜用 - 緩効性肥料
- ジョーロ
- ハサミ
- ピンセット
Step 2:種まき
*新品のゴールデン粒状培養土野菜用を使用する場合、この手順は不要です。
*プランターのふちギリギリまで入れずに、3 ㎝程度、余裕をもって入れましょう。
*種をまくための「蒔き溝、蒔き穴」を作る必要はありません。
*このようにすると種を蒔いた部分だけが少し高くなって株元の排水性が向上し、根腐れを予防することができます。
*ホースリールを使用する場合は水勢を弱くし、土や種が流れてしまわないよう注意。プランターは風通しの良い日なたに設置し、発芽するまでは毎朝1日1回の水やりを行いましょう。
Step 3:発芽・間引き
シソは発芽まで半月近く掛かることがありますが、無事に発芽したら、間引きを行いましょう。
下の写真のように双葉が完全に展開し本葉が出始めたら、各点3株を残し間引きます。
間引きはピンセットを使って、混みあったところから1株ずつ引き抜いて行うのが基本ですが、密集しているところは(根が絡まり、残したい株まで一緒に抜けてしまう恐れがあるため)ハサミで根元から切り取ると安全に間引くことが出来ます。
混み合い具合を見ながら、さらに間引きを行い、1点あたり2株とします。
下の写真くらいのサイズになったら各点で一番成長の良い1株を残し、各点1株レリーフプランター全体で計4株とします(下の写真は最終間引き直後の様子)。
Step 4:育成・収穫
最終間引きを終えてしばらくすると、ぐんぐん草丈が伸び、葉も増え、収穫適期となります。必要な時に必要な分だけ、ハサミで葉を1枚ずつ摘み取って収穫を行いますが、樹勢を維持するため、最低でも7枚程度は葉を残しておくのがポイントです。
シソは通常、1~2枚をお刺身や、お豆腐に添える程度に使われるのが一般的です。天ぷらにしても美味しいのですが、プランター1つ=4株のシソとなると、夏には一度に100枚近く収穫できてしまい、どうしても需要が供給に追い付かなくなりがちです。
シソを大量に収穫したら「しそベーゼ和風パスタ」を作ってみてはいかがでしょうか?
(2人分のレシピ)
- オリーブオイル、シソ(30 g)、松の実(軽く火を通したもの、15 g)をフードプロセッサーでペースト状になるまで攪拌。パサパサせず、逆に、ベタベタにもならない程度にオリーブオイルの量を適宜調節します。
- しょうゆ、にんにく、塩、こしょうで味を整え、しそベーゼソースとします。
- アルデンテに茹で上げたパスタを冷水でよく冷やし、2のソースを混ぜて冷蔵庫で冷やせば、和風しそベーゼパスタの出来上がりです。
とっても簡単に作れて、採れたてのシソの風味をたっぷりと味わうことが出来るので、是非一度お試しください。
栽培のポイント・注意点
虫害に注意
シソは雑草のように非常に強靭なイメージがあり、実際、山間部では自生している場合も少なくありませんが、都市部でプランター栽培する場合には虫害に注意する必要があります。
特に注意したい害虫はベニフキノメイガというくもの巣に似た糸を張るいもむしと、かわいらしい昆虫のオンブバッタの2種です。早期防除に失敗しこれらが大量発生してしまうと、食害スピードが極めて速いため、あっという間に手に負えなくなってしまうことがあります。
シソの豆知識
シソの名前の由来は?
紫蘇を煎じて飲ませたら命が蘇ったとする中国の逸話に由来します。
シソは漢字で「紫蘇」と書きますが、もともとシソは葉の色が赤紫色の「赤シソ」を意味し、中国の名医が食中毒の少年に、シソを煎じて飲ませたところ命が蘇ったとする逸話に由来しています。
実際、シソにはシソアルデヒド(ペリルアルデヒド)が含まれ、強い抗菌作用があることが知られています。伝統的にシソが刺身の薬味として添えられることが多いのもこの強い殺菌・防腐作用に由来します。