シソはハーブの一種なので、あまり日の当たらない環境でも旺盛に育ちますが、寒さには弱く、虫害も受けやすいため、初めて栽培する場合は4月上旬頃の種まきがお勧めです。
このページでは最も一般的な「青シソ(固定種)」をプランターで種から栽培する方法をご紹介します。
(苗を購入して栽培する方は前半を適宜読み飛ばしてください)
基本データ | |
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栽培難易度 | |
名称・別名 | 紫蘇(シソ)、大葉(オオバ) |
科名 | シソ科 |
英名 | Shiso |
原産地 | 中国 |
播種適期 | 3月中旬~5月上旬 |
種のまき方 | 点まき |
発芽適温 | 20~24℃ |
生育適温 | 20~23℃ |
発芽日数 | 5~7日 |
最適プランター | レリーフプランター650 |
Step 1:必要資材の準備
シソをプランターで栽培するために、まずは必要となる資材や道具を揃えましょう。
はじめての家庭菜園でどれを買ったら良いか分からない場合は、この記事で使用している以下の資材一式を購入し、記載の手順通りに育てれば初心者でも失敗無く収穫することが出来ます。
タネ
シソは、葉の色が緑色の青シソと、赤色の赤シソに大別できますが、今回は一般的な青シソを栽培します(栽培方法はどちらも全く同じです)。
プランター
シソはそれほど多くの土量を必要とはしないので、レリーフプランターがおススメです。
培養土
緩効性肥料入りの粒状培養土で、保水性、通気性、保肥性のバランスに優れています。
肥料
窒素、リン、カリがそれぞれ8%含まれる、最も一般的な化成肥料です。信頼できるメーカーのものを選ぶようにしましょう。
ジョーロ
毎日の水やりに使用します。プランターの数が多くなってきたら、ホースリールの導入も検討してみてください。
Step 2:種まき
良く洗ったプランターに鉢底石を底が見えなくなるくらいまで入れる。
*新品のゴールデン粒状培養土を使用する場合、この手順は不要です。
プランターに培養土を入れ、表面を平らにならす。
*プランターのふちギリギリまで入れずに、3 ㎝程度、余裕をもって入れましょう。
*タネをまくための「蒔き溝、蒔き穴」を作る必要はありません。
点まき。レリーフプランター650なら3点、各点4~5粒。
培養土をタネが完全に見えなくなるまで追加する(すでにプランターに入っている培養土を「寄せる」のではなく、新たにタネの上に培養土を追加)。
*このようにするとタネをまいた部分だけが少し高くなって株元の排水性が向上し、根腐れを予防することができます。
プランターの排水口から水が流れ出るまでたっぷりと水を与える。
*ホースリールを使用する場合は水勢を弱くし、土やタネが流れてしまわないよう注意。プランターは風通しの良い日なたに設置し、発芽するまでは毎朝1日1回の水やりを行いましょう。
シソは発芽に光のエネルギーを必要とします(好光性種子)。タネを土に深く埋めすぎないように注意しましょう。
Step 3:発芽・間引き
シソは発芽がばらつきやすいですが、適期ならタネをまいてから1週間ほどで順次発芽します。
無事にひととおり発芽したら、初回の間引きを行いましょう。葉が触れ合うくらい混み合っている場合は早めに間引いたほうが良いですが、上の写真のように株間の距離が十分に確保されているようであれば、本葉が4枚くらいになったタイミングで各点3株を残し、間引きます。
間引きの方法:株間が十分に広い場合は、苗を指でつまんでまっすぐ上に引き抜くのが最も手軽ですが、ピンセットを使うと、混み合っている箇所でも正確に間引くことが出来ます。また、密集して発芽してしまった箇所は(根が絡まり、残したい株まで一緒に抜けてしまう恐れがあるため)ハサミで根元から切り取ると安全・確実に間引くことが出来ます。
混み合い具合を見ながら、さらに間引きを行い、1点あたり2株とします。
下の写真くらいのサイズになったら各点で一番成長の良い1株を残し、レリーフプランター全体で計3株とします(下の写真は最終間引き直後の様子)。
シソは栽培期間が長期となるため、定期的な追肥が必要です。緩効性肥料なら1か月おき、一般的な化成肥料なら2週間おきを目安として追肥しましょう。追肥の際は株元を避け、プランターのふちに沿って蒔くようにすると根が肥料焼けして痛んでしまう心配がありません。
Step 4:育成・摘心・収穫
最終間引きを終えてしばらくすると、ぐんぐん草丈が伸び、葉も増えてきます。
下の写真くらいのサイズになれば、徐々に収穫することが出来ます。
必要な時に必要な分だけ、葉を1枚ずつ摘み取って収穫しますが、樹勢を維持するため、最低でも10枚程度は葉を残しておくようにしましょう。下の写真は収穫直後の様子です。
このまま栽培しても特に問題ありませんが、シソを大量に収穫したい場合は「摘心」するのがお勧めします(下の写真は摘心前の様子)。
摘心の方法は、生長点(一番上の先端部分)を清潔なハサミでカットするだけです(下の写真は摘心後)。こうすることで、脇芽が増え、葉数を大幅に増やすことが出来ます。
シソは初心者でも簡単に栽培することが出来るので、是非、採れたての、風味豊かなシソを味わってみてください!
シソは通常、1~2枚をお刺身や、お豆腐に添える程度に使われるのが一般的です。天ぷらにしても美味しいのですが、プランター1つ=4株のシソとなると、夏には一度に100枚近く収穫できてしまい、どうしても需要が供給に追い付かなくなりがちです。
シソを大量に収穫したら「しそベーゼ和風パスタ」を作ってみてはいかがでしょうか?
(2人分のレシピ)
- オリーブオイル、シソ(30 g)、松の実(軽く火を通したもの、15 g)をフードプロセッサーでペースト状になるまで攪拌。パサパサせず、逆に、ベタベタにもならない程度にオリーブオイルの量を適宜調節します。
- しょうゆ、にんにく、塩、こしょうで味を整え、しそベーゼソースとします。
- アルデンテに茹で上げたパスタを冷水でよく冷やし、2のソースを混ぜて冷蔵庫で冷やせば、和風しそベーゼパスタの出来上がりです。
とっても簡単に作れて、採れたてのシソの風味をたっぷりと味わうことが出来るので、是非一度お試しください。
栽培のポイント・注意点
虫害に注意
シソは雑草のように非常に強靭なイメージがあり、実際、山間部では自生している場合も少なくありませんが、都市部でプランター栽培する場合には虫害に注意する必要があります。
特に注意したい害虫はベニフキノメイガというくもの巣に似た糸を張るいもむしと、かわいらしい昆虫のオンブバッタの2種です。早期防除に失敗しこれらが大量発生してしまうと、食害スピードが極めて速いため、あっという間に手に負えなくなってしまうことがあります。
シソの豆知識
シソの名前の由来は?
紫蘇を煎じて飲ませたら命が蘇ったとする中国の逸話に由来します。
シソは漢字で「紫蘇」と書きますが、もともとシソは葉の色が赤紫色の「赤シソ」を意味し、中国の名医が食中毒の少年に、シソを煎じて飲ませたところ命が蘇ったとする逸話に由来しています。
実際、シソにはシソアルデヒド(ペリルアルデヒド)が含まれ、強い抗菌作用があることが知られています。伝統的にシソが刺身の薬味として添えられることが多いのもこの強い殺菌・防腐作用に由来します。
シソを大量に収穫するには?
草丈が25 cmくらいになったら生長点をハサミでカットして「摘心」すると、脇芽が増え、葉数が増えるので多収となります。
摘心することで、脇芽が増え、葉は多くなるのですが、どんどん収穫しないと風通しが悪くなり、病虫害の影響を受けやすくなることに注意してください。料理のアクセントとして時々、使用するくらいであれば、摘心は不要です。