キュウリの育て方

キュウリの育て方・栽培方法

キュウリはその96%が水分で、ギネスブックにも掲載されるほど低カロリーでヘルシーな野菜として知られていますが、実はカリウムを多く含み、夏バテの予防効果が高いともいわれています。

このページでは、雌花率が非常に高く多収で、葉のサイズが小さく、狭いスペースでも育てやすい家庭菜園の人気品種「Vアーチ」をプランターで種から栽培する方法をご紹介します。
(苗を購入して栽培する方は前半を適宜読み飛ばしてください)

基本データ
栽培難易度 
名称・別名キュウリ(胡瓜)
科名ウリ科
英名Cucumber
原産地ヒマラヤ山麓
播種適期4月中旬~5月上旬
種のまき方点まき
発芽適温25~30℃
生育適温昼間:22~28℃、夜間:17~18℃
発芽日数3~5日
最適プランターエアープランター600

Step 1:必要資材の準備

キュウリをプランターで栽培するために、まずは必要となる資材や道具を揃えましょう。

はじめての家庭菜園でどれを買ったら良いか分からない場合は、この記事で使用している以下の資材一式を購入し、記載の手順通りに育てれば初心者でも失敗無く収穫することが出来ます。

タネ

耐病性が高く(べと病、うどんこ病、ウイルス病、褐斑病に耐病性)、葉が小さく立性も良いので、少ないスペースでも育てやすい家庭菜園の定番品種です。非常に多収で(1節から2~3果収穫出来る)、食味も良いのが特徴です。

プランター

キュウリは野菜の中でもトップクラスの水分量を必要とするので、土がたくさん入る大きめのプランターがおススメです。長い支柱を立てて栽培するので、エアプランター600のように、別売りの支柱ホルダーが取り付けられるものだと、簡単かつ確実に支柱を固定することが出来、とても便利です。

*エアプランター600は、この記事で使用している「レリーフプランター深型600」の後継製品です。

培養土

緩効性肥料入りの粒状培養土で、保水性、通気性、保肥性のバランスに優れています。

支柱

長さ 180 cm~210 cm、太さ11 mmのものがおススメです(セキスイ イボ竹 φ 11 mm x 210 cmなど)。

通販だと送料が高くなるので、近くのホームセンターや、園芸店で購入すると良いでしょう。表面がツルツルのものより、凹凸(イボ)があるもののほうが、麻ひもの固定がしやすいです。

肥料

窒素、リン、カリがそれぞれ8%含まれる、最も一般的な化成肥料です。信頼できるメーカーのものを選ぶようにしましょう。

ジョーロ

毎日の水やりに使用します。プランターの数が多くなってきたら、ホースリールの導入も検討してみてください。

Step 2:種まき

手順1
鉢底石を入れる

良く洗ったプランターに鉢底石を底が見えなくなるくらいまで入れる。
*新品のゴールデン粒状培養土を使用する場合、この手順は不要です。

手順2
培養土を入れる

プランターに培養土を入れ、表面を平らにならす。
*プランターのふちギリギリまで入れずに、3 ㎝程度、余裕をもって入れましょう。
*タネをまくための「蒔き溝、蒔き穴」を作る必要はありません。

手順3
タネをまく

点まき。エアープランター600なら2点、各点4粒。

かぼちゃの種まき

手順4
タネに土をかぶせる

培養土をタネが完全に見えなくなるまで追加する(すでにプランターに入っている培養土を「寄せる」のではなく、新たにタネの上に培養土を追加)。
*このようにするとタネをまいた部分だけが少し高くなって株元の排水性が向上し、根腐れを予防することができます。

手順5
水やりをする

プランターの排水口から水が流れ出るまでたっぷりと水を与える。
*ホースリールを使用する場合は水勢を弱くし、土やタネが流れてしまわないよう注意。プランターは風通しの良い日なたに設置し、発芽するまでは毎朝1日1回の水やりを行いましょう。

Step 3:発芽・間引き・仮支柱

毎日水やりを行うと1週間ほどで順次発芽します(きゅうりの発芽温度は25~30℃と高く、低温では発芽しないので、ゴールデンウィーク頃の種まきがお勧めです)。

キュウリ発芽

双葉が完全に展開し、本葉が出始めたタイミングで、初回の間引きを行って各点2~3株、プランター全体で4~6株とします。

キュウリの間引き

間引きの方法:株間が十分に広い場合は、苗を指でつまんでまっすぐ上に引き抜くのが最も手軽ですが、ピンセットを使うと、混み合っている箇所でも正確に間引くことが出来ます。また、密集して発芽してしまった箇所は(根が絡まり、残したい株まで一緒に抜けてしまう恐れがあるため)ハサミで根元から切り取ると安全・確実に間引くことが出来ます。

しばらくすると大きな本葉が展開します。葉が重なり合うようになったら更に1株を間引いて各点2株としましょう。

キュウリの間引き

3枚目の本葉が展開したら、最終間引きを行って各点1株、プランター全体で計2株とします。

風にあおられて茎が傷んでしまうことのないよう、最終間引き後に株元への十分な土寄せを行い、さらに、仮支柱(割り箸などでOK)を立てて、ゆるく麻ひもで固定しておくと安心です。

キュウリ仮支柱

定期的な追肥が必要

キュウリは栽培期間が長期となるため、定期的な追肥が必要です。緩効性肥料なら1か月おき、一般的な化成肥料なら2週間おきを目安として追肥しましょう。追肥の際は株元を避け、プランターのふちに沿って蒔くようにすると根が肥料焼けして痛んでしまう心配がありません。

Step 4:本支柱立て・整枝

最終間引きを終えて、下の写真くらいのサイズになったら、本支柱を設置して、麻ひもで主枝を誘引します。

キュウリ本支柱へ誘引

本支柱は、プランターの4隅に2メートル程度の支柱を4本差し込み、更に上部を交差させて、プランターの長辺と平行となるように80 ㎝程度の支柱を横に渡し、麻ひもで強く縛って固定しておくと、最後までグラつくことなく、しっかりとツルを支えることが出来ます。

キュウリの本支柱の立て方

また、本支柱に誘引する頃になると、脇芽もたくさん出始めます。ある程度の高さ(7~8節くらい)になるまでは親ヅルの成長を優先させたほうが結果的に多収となるため、このタイミングで脇芽かきも行っておきましょう。

中央にまっすぐ上に伸びているのが「わき芽(=子ヅル、側枝)」です。わき芽かきの方法ですが、晴れた日に、わき芽を手でつまんで折り取るようにして行うと簡単です。

わき芽かき前

わき芽かき後は、以下のようになります。

わき芽かき後

各節からわき芽が出てくるので、8節目までは、見つけ次第、わき芽かきを行い「1本仕立て」とします(下の写真はすべてのわき芽を折り取った後の様子)。

キュウリの1本仕立て

Step 5:育成・収穫

きゅうりは成長が早いため、毎日ぐんぐん大きくなりますが、定期的に本支柱への誘引を行い、まっすぐ上へと成長させます。

成長中のきゅうり

次第に花が咲き始めますが、8節目までは全ての雌花、雄花、側枝を除去し、9節目からは側枝を1~2節で摘心して管理します。

花が咲き始めたきゅうり

側枝を1節で摘心」について、もう少し詳しく解説します。

右下から右上に向かって伸びているのが親ヅルで、左に向かって伸びているのが葉と側枝です。Vアーチは側枝の1節目に必ず着果する性質があるため(手前に向かって伸びているのがキュウリの幼果)、そのすぐ先、丸印のところをはさみでカット(摘心)します。

側枝は1節目で摘心

13節目以上は、側枝を2節目で摘心することで、各節、親ヅルから1果、側枝から2果、計3果ずつ収穫することが出来ます。

尚、雌花率に優れるVアーチのような品種では、下の写真のように1つの節に2つ着果してしまうことが時々あります。この場合は片方を摘果し、1か所から1果を収穫するようにしましょう(樹勢低下防止のため)。

1節に2果着果したら1つだけを残して摘果

Vアーチは、子ヅル、親ヅルの各節に連続着果するので、このようにプランター1つでもたくさん収穫することが出来ます。

収穫適期のキュウリ

キュウリを収穫する際は、キュウリ表面の鋭いトゲに注意し、ハサミで収穫するようにしましょう(特に、小さな子供と一緒に収穫する際は、厚手の軍手などを使用すると安心です)。

収穫したきゅうり

夏の暑い日に、採れたてのキュウリを生でそのままバリッ!と食べるのも最高ですが、一手間かけてもこれまた絶品です。
(ちょうどキュウリとジャガイモの収穫が重なったため、じゃがいものサラダをキュウリで巻いて、その上にうなぎと鮭をトッピングしてみました)

きゅうりは一手間掛けても美味しい

栽培のポイント・注意点

「Vアーチ」のプランター栽培の要点

キュウリは品種によって雌花率、着果率、樹勢が異なるため、それぞれの品種に適した方法で栽培する必要がありますが、今回ご紹介した「Vアーチ」の栽培の要点は以下の通りです。

  1. 親ヅルは支柱の先端に達するまで摘心せず、1本仕立てとする。
  2. 8節以下の雌花、雄花、側枝(子ヅル、わき芽)は全て除去し、親ヅルの成長を優先させる。
  3. 9~11節の側枝は1節で摘心(親ヅルから1果+側枝から1果収穫=各節2果収穫)。
  4. 12節目の側枝だけは摘心せず放任することで、葉面積と根量を確保する。
  5. 13節以降の側枝は2節で摘心(親ヅルから1果+側枝から2果=各節3果収穫)。
  6. 同一箇所に複数着果した場合は、1果残して他は摘果。
  7. 主枝(親ヅル)の各節の連続着果は何節連続しても摘果せず全て収穫。

人工授粉は不要~キュウリの雄花と雌花~

ウリ科野菜の難しいところは、雌雄別花であるところで、そのために煩雑な人工授粉が通常必要となるのですが・・・実は、キュウリは受粉しなくても肥大する特徴があるため、人工授粉は不要です。

雄花は何の役にも立たないため、最近の品種では雌花率の高いものが多くなっています。とはいえ、100%雌花となってしまうと種子が出来ず、子孫が残らなくなってしまうため、非常にまれですが、雄花も咲くことがあります。

これがその雄花です。

きゅうりの雄花

正面からではよく分かりませんが、花の付け根が肥大していないことから確かに雄花であることが分かります。

きゅうりの雄花

雌花はこちらです。横から見ると、花の付け根にキュウリの幼果が付いていることから、簡単に雄花と見分けることが出来ます。

きゅうりの雌花

病虫害に注意

キュウリはウリ科なので、アブラムシやウリハムシなどの害虫に好まれます。株のサイズが大きく、防虫ネットで完全に覆うこともほぼ不可能なため、見つけ次第捕殺するようにしましょう。

食害自体も問題ですが、虫が病原菌を媒介するため、病気の感染原因となることが一番の問題となります。

特にキュウリは病気にかかりやすい性質があります。数あるキュウリ品種の中でも特に耐病性に優れる「Vアーチ」であっても、無農薬栽培を前提とする家庭菜園では病気に掛かって枯れてしまうことがあるため、早期防除を心がけるようにしましょう。

若採り収穫で多収に

キュウリは未熟果が食用となりますが、採り遅れて完熟させてしまうと株が疲れ、その後の実付きが悪くなってしまうため、出来るだけ早めに収穫するようにしましょう。

水を切らさない

キュウリはその果実のほとんどが水分なので、生育には大量の水分を必要とします。

特に収穫期になると根が水分を急速に吸い上げるため、水やりを行ってもすぐに土が乾いてしまいます。樹勢低下、変形果の原因となるため、出来るだけ水を切らさないよう心がけましょう。

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