全面リニューアルしました!(2019年11月2日)

野菜の間引きのコツ:2つの方法と3つのポイント

間引きの基本

家庭菜園において間引きは、育てる野菜に関わらず必ず必要となる技術の1つです。このページでは、プランター栽培における野菜の「間引きのコツ」や間引きを行わなければならない理由について解説しています。

間引きが必要な理由(余分にタネをまくべき理由)

具体的な間引きのポイントについて解説する前に、そもそもなぜ間引く必要があるのかについて触れておきたいと思います。

間引きとは、込み合った苗の一部を人為的に取り除くことによって、株間を広げる作業のことをいいます。間引きを行ったほうが良い理由は以下の通りです。

間引きが必要な理由
  • 株間が広がることで風通しが良くなり、病気の発生を予防できる。
  • 日照や栄養を優良株に集中させることで高品質な野菜の収穫が可能となる。

そもそもタネを余分に蒔かなければ良いようにも思えますが、以下の理由からタネを多めに蒔いて間引いたほうが結果的に多収となります。

  • ニンジンなど一部の野菜においては、生育初期に混み合っていたほうが互いに競争し合って生育が旺盛となる。
  • タネは必ず発芽するとは限らないため、欠株となって収量が低下するのを防ぐためには多めにタネを蒔く必要がある。
  • タネが無事に発芽しても幼苗の段階で虫害を受けたり生育不良となることがある。

また、多くの葉菜では本収穫の前に、短期間で美味しい間引き菜を収穫することが出来ることもあり、特に家庭菜園では厚めにタネを蒔くのが一般的となっています。

間引きの2つの方法

間引きには2つの方法があります。

その1:ピンセットなどで苗を引き抜く方法

タネを蒔いて、双葉が出揃い、わずかに本葉が見え始めたら間引きを行いますが、特に初回の間引きは株間が数ミリしかないため、無理に指でつまんで引き抜こうとすると、周囲の株の根まで傷つけてしまう恐れがあります。

下の写真のようにピンセットを使って、周囲の株に触れないよう慎重に株元をつかんで引き抜くようにしましょう。

ピンセットを使用する間引き

ピンセットは手持ちのものでも構いませんが、先端の内側に滑り止めの「ギザギザ」がついているタイプがお勧めです。

間引きの前後は下の写真のようになります(手前が間引き後、奥が間引き前)。

間引き前後の様子

2回目以降の間引きでは通常十分な株間が確保されているため特にピンセットを使う必要は無く、指先でつまんで引き抜いて問題ありません。

その2:ハサミで切り取る方法

根の張りが良い野菜や、スイスチャードのように1つのタネ(種球)から複数の芽が出るような野菜の場合は、地上部をつかんで根ごと引き抜こうとすると、残す株の根まで傷めてしまう恐れがあります。

このようなときは、先端がシャープなハサミで株元からカットして間引く方法がお勧めです。ハサミで切り取って間引く場合、根だけが残ることになりますが特に問題はありません。下の写真はハサミで株元から切り取って間引いた直後の様子です。

間引き:ハサミでカットして間引く

間引く株を選ぶための3つのポイント

間引く苗を決定するためのポイントは、3つあります。優先順位が高い順に説明します。

その1:元気な株を残し育ちの悪い株を間引く

間引きの大原則は、育ちの良いものを残すことにあります。

例えば、ダイコンを点まきで、各点4粒のタネをまいて発芽させる場合、発芽後に段階的に間引いて、最終的には各点1株を残すことになりますが、発芽直後に下の写真のような状態であれば、生育の悪い右から二番目の株を間引くのが正解です。

生育が悪いものを間引くのが基本

その2:場所を基準に間引く

最近は一代交配種(F1種)と呼ばれる非常に生育の揃いの良いタネを使用することが家庭菜園では一般的なため、複数のタネをまいてもほとんど生育の状態に差が無いことも多いです。

そのようなときは、純粋にプランター内の株の位置を基準に間引いて適正な株間となるように調整しましょう。

間引き前後の様子

手前:間引き後、奥:間引き前。このケースではどの株も生育状態には差が無いため、理想の株間となるよう「場所を基準に」間引きを行う。

その3:色を基準に間引く

これはかなり例外ですが、スイスチャードのように同じタネからでも異なる色の株が発芽する野菜も存在します。これらの野菜はカラフルな色合い自体が魅力であるため、このようなケースでは、生育の状態や場所の観点に加え、色のバランスも考慮して間引くと美しく育てることが出来ます。

間引き:色のバランスも考える

スイスチャード(品種:ブライトライト)の生育の様子。株ごとに色が異なるため、様々な色をバランス良く残すのがポイント。

一度にまとめて間引いてはいけない理由

この記事を読んだ方の中には「どうせ後から最終株間となるように間引くのだから、発芽直後に最終株間となるように間引いたほうが楽なのでは?」と考える方もいるかと思います。

実際、海外で機械的に大量栽培する場合は、広大な土地に最終株間となるように1粒ずつ農機でタネを蒔くことで、間引きに伴うコストを圧縮し、安価に大量生産する方法が広く採用されています。

しかし、家庭菜園、特にプランター菜園ではそもそも栽培スペースが狭いため、限られたスペース内で欠株なく栽培しないと十分な収量を得ることが出来ず、また、大規模栽培では現実的に難しい手間も多く掛けることが出来る強みがあります。

また、家庭菜園の場合は商用栽培とは異なり無農薬で育てるかたが非常に多いため、最初は元気でも後になって急に枯れてしまうということが多々あります。

以上の理由から、発芽直後にいきなり最終株間とはせず、成長の様子を見ながら手間を掛けて少しずつ苗を選抜するようにすると、再現性良く質の高い野菜を収穫することが出来るということになります。

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