カラフルな色合いが特徴のスイスチャードは種まきから1カ月半ほどで収穫することが出来、特別な栽培技術も必要無いので、家庭菜園未経験の初心者でも簡単に育てることが出来ます。
この記事では緑、黄、赤、白のカラフルな彩りが楽しめるスイスチャード品種「ブライトライト」をプランターで種から栽培する方法をご紹介します。
基本データ | |
---|---|
栽培難易度 | |
名称・別名 | スイスチャード、不断草(フダンソウ)、不断菜(フダンナ)、リーフビート |
科名 | ヒユ科 |
英名 | Swiss Chard, Chard, Silver Beet, Seakale Beet, Leaf Beet |
原産地 | 地中海沿岸 |
播種適期 | 3月初旬~10月中旬 |
種のまき方 | 条まき |
発芽適温 | 10~25℃ |
生育適温 | 15~20℃ |
発芽日数 | 4~7日 |
最適プランター | レリーフプランター650 |
Step 1:必要資材の準備
スイスチャードをプランターで栽培するために、まずは必要となる資材や道具を揃えましょう。
はじめての家庭菜園でどれを買ったら良いか分からない場合は、この記事で使用している以下の資材一式を購入し、記載の手順通りに育てれば初心者でも失敗無く収穫することが出来ます。
タネ
スイスチャードならではの緑、黄、赤、白のカラフルな彩りを楽しむことが出来、耐暑性が高く育てやすい、家庭菜園の人気品種です。
プランター
スイスチャードはそれほど多くの土量を必要としないので、レリーフプランター(2列、条まき)がおススメです。
培養土
緩効性肥料入りの粒状培養土で、保水性、通気性、保肥性のバランスに優れています。
ジョーロ
毎日の水やりに使用します。プランターの数が多くなってきたら、ホースリールの導入も検討してみてください。
防虫ネット
スイスチャードはヒユ科なので、アブラナ科の野菜ほどではありませんが、虫害を受けることがあります。特に、虫が多い環境、時期に栽培する場合は、種まき直後から防虫ネットでプランター全体を覆っておくと安心です。
栽培期間が短いので、ゴールデン粒状培養土のような元肥入り培養土を使用する場合、肥料(追肥)は不要です。
Step 2:種まき
良く洗ったプランターに鉢底石を底が見えなくなるくらいまで入れる。
*新品のゴールデン粒状培養土を使用する場合、この手順は不要です。
プランターに培養土を入れ、表面を平らにならす。
*プランターのふちギリギリまで入れずに、3 ㎝程度、余裕をもって入れましょう。
*タネをまくための「蒔き溝、蒔き穴」を作る必要はありません。
条まき。レリーフプランター650なら2条。
*1つのタネ(種球)から3~5本くらいの芽が出るので、5 cm間隔で1粒ずつまきましょう。
培養土をタネが完全に見えなくなるまで追加する(すでにプランターに入っている培養土を「寄せる」のではなく、新たにタネの上に培養土を追加)。
*このようにするとタネをまいた部分だけが少し高くなって株元の排水性が向上し、根腐れを予防することができます。
プランターの排水口から水が流れ出るまでたっぷりと水を与える。
*ホースリールを使用する場合は水勢を弱くし、土やタネが流れてしまわないよう注意。プランターは風通しの良い日なたに設置し、発芽するまでは毎朝1日1回の水やりを行いましょう。
Step 3:発芽・間引き
適期だと1週間程度で一斉に発芽します。下の写真は、発芽直後の様子です。実際には1粒しか種を蒔いていませんが、このように1つの種(種球)から5株程度の色とりどりのスイスチャードが発芽します。
スイスチャードの間引きのポイントは2つあります。
第1のポイントは、色のバランスを考えて間引くことです。あまり厳密に考える必要はありませんが、色が極端に偏ってしまうと、せっかくの美しいカラフルな葉柄が台無しになってしまいます。
第2のポイントは、ハサミで地際から切って間引くことです。スイスチャードの種の性質上、同じ種球から発芽した株を間引くことになるので、他の野菜のように引き抜いて間引くと、残したい芽の根まで痛めてしまうので注意しましょう。
間引きは双葉が完全に展開した後、混み具合を見ながら順次行います(下の写真中央より少し左の赤いのがハサミで切って間引いた跡)。
本葉が3枚前後となるまでに、各点1株、株間5 cmとしましょう。もともと播種間隔が5 ㎝なので、1つの種球から出た複数の芽の1つだけを残すことになります。下の写真は最終間引き後の様子です。
最終間引き後、プランター全体としては下の写真のような感じになります(奥に白く見えるのが防虫ネット)。
さらに本葉が増えて葉が重なり合うようになったら、収穫を兼ねて1株おきに間引き、株間10 cmとします(最終間引き)。
間引き前:立性が悪く、横方向に広がりやすいため、5 ㎝の株間でもすでに葉が重なり合っています。
最終間引き後:株元まで光が届き、風通しも良くなりました(株間10 ㎝)。
Step 4:育成・収穫
最終間引き後、すぐに葉が込み合ってきますが、このまましばらく育成します。
下の写真のように、葉表面に品種特有のちぢれが出始めた頃がスイスチャードの収穫適期です。
スイスチャードの収穫方法ですが、株元(根元)をハサミで切り取るのがお勧めです。こうすると葉が土で汚れず、軽く水で洗ってすぐに調理をすることが出来ます。
調理の際は熱を加えすぎるとせっかくのキレイな色が薄くなってしまうので、さっと茹でると彩り鮮やかに仕上がります。
栽培のポイント・注意点
虫害に注意
アブラナ科野菜ほどは虫害を受けないものの、害虫の多い時期・地域で栽培する場合は、種まき直後から収穫直前まで防虫ネットを使用し、害虫の侵入を防ぐと良いでしょう。また、防虫ネットの使用有無を問わず、毎朝葉裏をチェックし、アブラムシやコナガなどの害虫がいたら見つけ次第駆除するようにしましょう。
早めに収穫
収穫が遅れて大株になってしまうと、見た目は立派ですが、硬くなり、アクも強くなって食味が落ちます。スーパーで売られている一般的なサイズを目安に、それと同じか、やや小さいサイズで収穫すると、本来の柔らかで風味豊かな食味が楽しむことが出来ます。
スイスチャードの豆知識
どうしてこんなにカラフルなの?
ポリフェノールの一種が含まれているためです。
スイスチャードはホウレンソウと形や食味が非常によく似ていますが、全く異なるのがその色です。ホウレンソウが緑色であるのに対して、スイスチャードは、レッド、イエロー、ホワイト、グリーンが調和し非常に色鮮やかです。このカラフルな色の正体は、ポリフェノールの一種であるベタレイン色素という成分で、抗酸化作用、アンチエイジング効果が高いとされています。