プランター菜園を行う上で毎日の水やりは欠かせませんが、家の中と外を10 kg近くあるジョーロを持って何度も行き来するのはかなりの重労働です。このページでは日々の水やりの負担を大幅に低減することが出来るホースリールについて紹介し、地下散水栓への設置方法や、製品選びのポイントについても解説します。
ホースリール導入で家庭菜園をより楽しく!
プランター菜園をはじめたばかりであれば、毎日のジョーロで行う水やりは楽しいものですが、慣れてくるとより多くの野菜を栽培するためにプランターの数が増え、結果として毎日の水やりがかなりの重労働になってしまいます。
また、ジョーロで水やりを行う場合、どうしても朝の忙しい時間帯にそれなりに多くの時間が取られてしまうため、忙しい時はついつい水やりをサボってしまうことも多いのではないでしょうか?
「家庭菜園は楽しいけど、毎日の水やりが苦痛・・・」と感じている方は、是非ホースリールの導入を検討してみてください。驚くほど水やりが楽になり、家庭菜園がより楽しいものになります。
また、昨今の家庭菜園ブームの影響で、従来は戸建ての家への設置を前提とした製品が大半でしたが、近年はマンションのベランダ菜園に対応したホースリールも一般的となり、誰でも気軽にホースリールを利用することが出来るようになっています。
ホースリールの選び方
ホースリールを購入する際には、以下の3点をチェックし、最適なものを選ぶようにしましょう。
適合蛇口のサイズ・形状
ホースリールは蛇口に接続して使用しますが、その蛇口にも様々な型式(形状・サイズ)があります。
多くのホースリールは様々な蛇口に適合するように作られていますが、アタッチメントの購入が別途必要となることもあるため、実際に接続する蛇口の型式が購入予定のホースリールに対応しているかどうかは必ず購入前に確認するようにしましょう。
また、一部のホースリールは屋外の水道への接続を前提としていることがあります。マンションに住んでいてベランダに水道が無いという方は、アイリスオーヤマのOCHR-15をはじめとする浴室シャワーヘッド対応のホースリールを購入すると簡単に接続することが出来ます(付属の蛇口口金を使えば屋外蛇口にも接続可)。
ホースの品質(防藻、ねじれ防止、太さ、長さ)
ホースリールの心臓部であるホースにも様々なタイプがあります。
- 防藻仕様
基本的にホースリールは屋外に出しっぱなしにして使用するのが普通なので、出来ればホースが防藻仕様のものを選びましょう。掃除用にホースリールを購入するのであれば特に水質を気にすることは無いのですが、プランター菜園に使う場合は出来るだけ雑菌の少ない衛生的なホースで水やりを行う必要があるためです。 - ねじれ防止仕様
ホースを長く伸ばして取り回す際や、使用後にホースを巻き取る際に、ねじれ防止仕様のホースだと余計な手間が掛からずスムースな作業が可能です。 - ホースの太さ
最近は軽量、コンパクトなホースリールが売れ筋で、ホースの太さも細いものが多いのですが、細いとその分だけ水圧が弱くなります。太いと重量は増えますが水道蛇口の水圧がそのまま減衰せずヘッドに届くため、わざわざプランターのそばまでホースを取り回しながら近づく必要がなく、遠くのプランターまでまとめて水やりを行えるメリットがあります。
ホースリール本体を色々な場所へ持ち運びたい場合は細めの軽量タイプが良いですが、ホースリールを据え置きにして使う場合は太めのものがオススメです(太い=水圧が強いためプランターの汚れを洗浄する際にも便利)。 - ホースの長さ
これも太さと同じで、長ければ長いほど水圧は弱まる傾向にあり、重量も重くなります。一方、長さがあると、プランターへの水やりやガーデニング以外にも洗車、掃除など色々なことに流用出来るので、様々な利用シーンを想定し必要十分な長さを選ぶようにしましょう。
アクアガン(散水ノズル)の品質
ホースリールのシャワーヘッド部分をアクアガンまたは散水ノズルと呼びますが、ホースリールを接続する蛇口の開きは一定のままで水量調節が出来るものや、水形を様々に変更できるものがあります。
安価な製品では水の勢いが強い順に、ジェット、シャワー、ジョーロへと手元で切り替えられるようになっていますが、上位機種ではさらに「ミスト」「ストップ」などに対応しており、種まき直後のプランターには優しいミストで、防虫ネット越しに水やりする必要のあるプランターにはやや強めのシャワーで、と水形を使い分けることが出来ます。
また、アクアガンのハンドルを握っている間だけ放水され、離すと水が止まるものと、一度握ると放水が開始されてもう一度握ると水が止まるタイプの2種類がありますが、後者のほうが放水中にハンドルを握り続ける必要がなく省力的といえます。
地下散水栓へのホースリールの取り付け方
ここから先は、戸建て住宅に限られますが、地下散水栓(カップリング水栓)にホースリールを設置する具体的な方法についてご紹介します。
もちろん、普通に屋外の手洗い用蛇口にホースリールをネジ止めして取り付けても良いのですが、代わりにその水道が外水道として使えなくなってしまうため、普段使う機会の無い地下散水栓をホースリール用に有効活用するのがおすすめです。
地下散水栓とは・・・これです。その存在に気づいていない方が多いかもしれませんが、庭のスミや駐車場の端の辺りを探せば、大抵見つかると思います。
この「散水ボックス」を開くと、中には水道の蛇口(=地下散水栓、カップリング水栓)が収納されています。長年使用していない場合は蛇口をひねると鉄さびを含む茶色い水が出てきますが、しばらく流せば無色透明のキレイな水になります。
蛇口の先端に付いている部品を「カップリング」と呼びますが、くるくる回すと簡単に取り外すことが出来ます。今回、外したカップリングは使用しないので無くさないように保管しておいてください。
次に使うのはタカギの地下散水栓ニップル(品番:G076)です。
開封すると以下のようなアタッチメントが入っています(角度を変えて2枚撮影)。
内側がネジ状になっているので、先ほど外したカップリングのかわりに手で散水栓にねじ込んで取り付けます。この製品は取り付けたあとも先端のニップル部分の角度が自由に動かせるのが特徴で、ホースを色々な方向に取り回してもくるくると動いて、ホースの折れや捻じれを防いでくれます。
今回はこのアタッチメントに、タカギのホースリール「オーロラBOXY ツイスター20m」を取り付けてみます。
- ホース
太め、ねじれ防止有、防藻処理有、20メートル。 - アクアガン(散水ノズル)
一度握ると放水開始、もう一度握ると放水が停止するタイプ。
水形は、キリ、ストレート、ストップ、ジョーロ、シャワーに対応。 - その他
着脱可能なカバー付き。
購入状態では蛇口との接合口が下の写真左側のようになっていますが、白い部分を軽く手前に引きながら先端を引っ張るとワンタッチで青い部分を取り外すことが出来ます。
あとは先ほど取り付けたアタッチメント(地下散水栓ニップル)に白い部分を「カチッ」と鳴るまでまっすぐ押し入れ、蛇口をひねればホースリールの設置は完了です。
取り外しも簡単で、白い部分を軽く手前に引きながら引っ張るだけで片手で取り外すことが出来ます。
たったこれだけの作業で、毎日大変だったジョーロでの水やり作業が不要となり、力を使うこともなく、ごく短時間で大量のプランターに水やりを行うことが可能となります。
このページに記載した方法であれば工具を一切使用せずホースリールの設置を完了することが出来るため、女性ひとりでも無理なく設置できると思います。
是非、ラクをして楽しく、家庭菜園を満喫してください!
非常に分かり易い解説で助かりました。
私もホースリールを購入したいと思うのですが、水形「ストップ」とは、どのような放水状態でしょうか?
現在購入を検討している安価な製品は「ストップ」に対応していないのですが、ストップが無いと困るものでしょうか?
澄田さんへ ご訪問ありがとうございます。ご質問の「ストップ」ですが、無くても特に困る事はありませんので、ご安心ください。
一度ハンドルを握って、水を出した状態のままシャワーヘッド部分を回転させると水形を段階的に変化させることができますが、ぐるぐる回していくと、あるところで全く水が出ない状態になります。これがストップです。
ハンドルをもう一度握り直さなくても水を止めることが出来ますが、逆にいえば、もう一度握れば水を止めることは出来ますので、ストップを実際に使う機会は少ないと思います。