山東菜は白菜の一種ですが、白菜とは異なり少しだけ結球する(半結球)野菜のため、白菜のように結球せず失敗することが無く、特別な栽培技術も必要無いので、家庭菜園初心者でも比較的簡単に育てることが出来ます。結球し始める前に早取りしたものは「べか菜」と呼ばれ、それを大株にしたものが山東菜となります。
この記事では山東菜をプランターで種から栽培する方法をご紹介します。
基本データ | |
難易度 | |
名称・別名 | 山東菜(サントウナ、サントウサイ)、べか菜 |
科名 | アブラナ科 |
英名 | Shandong vegetable |
原産地 | 中国 山東省 |
種まき適期 | 3月初旬~10月中旬 |
種のまき方 | 条まき |
最適プランター | レリーフプランター650 |
Step 1:必要資材の準備
山東菜をプランターで栽培するために、まずは必要となる資材や道具を揃えましょう。
はじめての家庭菜園でどれを買ったら良いか分からない場合は、この記事で使用している以下の資材一式を購入し、記載の手順通りに育てれば初心者でも失敗無く収穫することが出来ます。特に、種の品種は耐病性や育てやすさに大きく影響するため、初めて栽培する方には以下の品種の使用をお勧めします。
- 種
半結球山東菜 - プランター
レリーフプランター650 - 培養土
ゴールデン粒状培養土野菜用 - 緩効性肥料
- ジョーロ
- ハサミ
- ピンセット
Step 2:種まき
*新品のゴールデン粒状培養土野菜用を使用する場合、この手順は不要です。
*プランターのふちギリギリまで入れずに、3 ㎝程度、余裕をもって入れましょう。
*種をまくための「蒔き溝、蒔き穴」を作る必要はありません。
*5 mm間隔を目安として種を蒔きましょう。
*このようにすると種を蒔いた部分だけが少し高くなって株元の排水性が向上し、根腐れを予防することができます。
*ホースリールを使用する場合は水勢を弱くし、土や種が流れてしまわないよう注意。プランターは風通しの良い日なたに設置し、発芽するまでは毎朝1日1回の水やりを行いましょう。
Step 3:発芽・間引き
種まきからおよそ3日ほどで順次発芽します。
双葉が完全に展開し本葉が出始めたタイミングで、初回の間引きを行いましょう。
遠くからだとやや分かりづらいですが、上の写真を良く見ると、わずかに本葉が出始めていることが分かります。
間引きは下の写真のようにピンセットを使って、混みあったところから1株ずつ引き抜いて行うのが基本です。尚、密集しているところは(根が絡まり、残したい株まで一緒に抜けてしまう恐れがあるため)ハサミで根元から切り取るとより安全に間引くことが出来ます。
下の写真は間引き前後の様子です(手前は間引き済み、奥は間引き前)。奥の列は葉が重なり合っているのに対し、手前の列は株元まで光がしっかりと差し込んでいることが分かると思います。株が風でぐらつかないように、株元への土寄せも間引きと併せて行っておきましょう。
山東菜は虫害を受けやすいため、当サイトのように無農薬で栽培する場合は(可能であれば)プランター全体を防虫ネットで覆っておくと安心です。
山東菜の成長は非常に早く、どんどん葉が大きくなります(このタイミングでは葉が横方向に伸びるため非常に混み合ってしまうことが避けられません)。
ある程度混んできたら1株おきに「べか菜」として収穫を兼ねた間引きを行い、通気と日照を確保しましょう。
Step 4:育成・収穫
栽培後半になると、山東菜の葉が白菜のように立ってきます。葉の巻きは白菜ほど強くないものの、上方向に葉がまとまるため、プランターでの管理は再び容易になります。
下の写真のような状態になれば山東菜としての収穫適期です。一度に全て収穫してしまわずに、大きく育ったものから順次収穫し、採れたての山東菜を頂きましょう。
山東菜の収穫方法ですが、株元(根元)をハサミで切り取る方法がお勧めです。こうすると葉が土で汚れず、軽く水で洗ってすぐに調理をすることが出来ます。また、間引きを兼ねて収穫する場合も周囲の株の根を傷めないよう、引き抜かずに根元からハサミでカットして収穫しましょう。
栽培のポイント・注意点
虫害に注意
山東菜はアブラナ科なので、害虫に非常に好まれます。害虫の多い時期・地域で栽培する場合は、種まき直後から収穫直前まで防虫ネットを使用し、害虫の侵入を防ぐと良いでしょう。また、防虫ネットの使用有無を問わず、毎朝葉裏をチェックし、アブラムシやコナガなどの害虫がいたら見つけ次第駆除するようにしましょう。