スイカの育て方

スイカの育て方・栽培方法

夏の風物詩であるスイカも、プランターでタネから育てることが出来ます。

スイカは漢字で「西瓜」と書くとおり、中国の西から伝来したウリ科の植物であるため、結実させるためには早朝の人工授粉が必要で、また、ツル性植物のため、それなりに広いスペースが必要となることから、家庭菜園初心者にはやや栽培のハードルが高い野菜の1つといえます。

この記事では比較的少ないスペースで栽培可能な小玉種で、糖度が非常に高いスイカの人気品種「紅しずく」をプランターで種から栽培する方法をご紹介します。
(苗を購入して栽培する方は前半を適宜読み飛ばしてください)

基本データ
難易度 
名称・別名スイカ(西瓜)
科名ウリ科
英名Watermelon
原産地アフリカ
種まき適期4月上旬~4月下旬
種のまき方点まき
最適プランターエアープランター600

Step 1:必要資材の準備

スイカをプランターで栽培するために、まずは必要となる資材や道具を揃えましょう。

はじめての家庭菜園でどれを買ったら良いか分からない場合は、この記事で使用している以下の資材一式を購入し、記載の手順通りに育てれば初心者でも失敗無く収穫することが出来ます。特に、種の品種は耐病性や育てやすさに大きく影響するため、初めて栽培する方には以下の品種の使用をお勧めします。

必要な資材

  • 紅しずく
  • プランター
    エアープランター600
  • 培養土
    ゴールデン粒状培養土野菜用
  • 緩効性肥料
  • ジョーロ
  • ハサミ

Step 2:種まき

手順1
鉢底石を入れる
良く洗ったプランターに鉢底石を底が見えなくなるくらいまで入れる
*新品のゴールデン粒状培養土野菜用を使用する場合、この手順は不要です。
手順2
培養土を入れる
プランターに培養土を入れ、出来るだけ平らにならす。
*プランターのふちギリギリまで入れずに、3 ㎝程度、余裕をもって入れましょう。
*種をまくための「蒔き溝、蒔き穴」を作る必要はありません。
手順3
種をまく
点まき。エアープランター600なら2点、各点4粒。

かぼちゃの種まき

手順4
種に土をかぶせる
 培養土を種が完全に見えなくなるまで追加する(すでにプランターに入っている培養土を「寄せる」のではなく、新たに種の上に培養土を追加)。
*このようにすると種を蒔いた部分だけが少し高くなって株元の排水性が向上し、根腐れを予防することができます。
手順5
水やりをする
プランターの排水口から水が流れ出るまでたっぷりと水を与える。
*ホースリールを使用する場合は水勢を弱くし、土や種が流れてしまわないよう注意。プランターは風通しの良い日なたに設置し、発芽するまでは毎朝1日1回の水やりを行いましょう。

Step 3:発芽・間引き・仮支柱

毎日水やりを行うと1週間ほどで順次発芽します。2枚の双葉の先端に種がついたまま発芽することが多々ありますが、しばらく放置すれば自然に外れて双葉が展開します。

スイカの発芽直後の様子

双葉が完全に展開し、本葉が出始めたタイミングで、初回の間引きを行って各点2株、プランター全体で4株とします。普通に手で引き抜いて間引いても構いませんが、残したい株の根を傷つけてしまわないようにハサミで根元から切り取って間引く方法がお勧めです。

本葉が出始めたタイミングで間引き

しばらくすると大きな本葉が展開しますが、本葉が3枚くらいになるまではこのまま各点2株を維持します。

スイカの本葉

3枚目の本葉が展開したら、最終間引きを行って各点1株、プランター全体で計2株とします。

スイカは本葉が大きく、風にあおられて茎が傷みやすいため、最終間引き後に、株元への十分な土寄せを行い、さらに、仮支柱(割り箸などでOK)を立てて、ゆるく麻ひもで固定しておくと安心です。

スイカの仮支柱立て

定期的な追肥が必要
スイカは栽培期間が長期となるため、定期的な追肥が必要です。緩効性肥料なら1か月おき、一般的な化成肥料なら2週間おきを目安として追肥しましょう。追肥の際は株元を避け、プランターのふちに沿って蒔くようにすると根が肥料焼けして痛んでしまう心配がありません。

Step 4:摘心

最終間引きを終えて、下の写真くらいのサイズになったら、摘心を行って、子ヅル2本仕立てとします。摘心とは、主枝の先端をハサミで切り落とすことによって、主枝の成長を止め、代わりに、わき芽の発生と成長を促す方法のことをいいます。今回は主枝を切り落として、わき芽(子ヅル)2本を伸ばし、それぞれ1玉ずつ着果させます。

スイカの摘心

摘心のタイミングですが、親ヅルがしっかり成長し、かつ、本葉が4~5枚あり、しかも良く晴れた日に行うようにしましょう(晴れていると切り口がすぐ乾き、病気になりにくい)

摘心後は以下のようになります(主枝と、側枝を間違えないように注意)。

摘心後のスイカ

Step 5:芽かき、整枝

摘心を終えると、次々に、わき芽(子ヅル)が成長するので、揃いの良い子ヅル2本を残して、他の子ヅルは手で折り取って除去し、子ヅル2本仕立てとします。

下の写真が、整枝前の様子です。

整枝前

こちらが、整枝後です。余計な子ヅルを除去して、全体的にすっきりしたことが分かります。

整枝後

上の写真だけでは、どこが、どのように、子ヅル2本仕立てとなっているのかが、分からないという方は、以下の写真も参考にしてみてください。

紫色が親ヅルです。赤い線は親ヅルから伸びる本葉です。更に、本葉の付け根のところから青い線が2本伸びていますが、これが子ヅルになります。

子ヅル2本仕立て:解説

この後も、成長に伴って、新しい子ヅルが伸びてきますが、青線で示した2つの子ヅルだけに栄養を集中させるため、そのほかの子ヅル(わき芽)は見つけ次第、手で折り取るようにします。

Step 6:育成

各株2本の子ヅルが出来るだけ重なり合わないよう4方向に伸ばし、水分と肥料を切らさないように注意しながら育成します。

成長中のスイカ

ある程度、ツルが延びてきたら、よしずを敷いて、その上にツルを移動させ、地這い仕立てとします(本支柱を立てて立体的な空中栽培も可能ですが、スイカが非常に重くなるため、初心者には地這い仕立てがお勧めです)。

地這い仕立て

Step 7:人工授粉・摘果・収穫

次第に、花が咲き始めます。雌花と雄花が、朝、同時に開花したら、以下の手順どおりに人工授粉を行います。

手順1
雌花を探す
雌花は花の付け根に、将来スイカの果実となる膨らみがあるのが特徴です。

スイカの雌花

手順2
雄花を探す
雄花は花の付け根に膨らみが無いのが特徴。

スイカの雄花

手順3
雄花の花弁を取り除く
ハサミで花びらを丁寧に切り取り、ヒダ状のスイカの雄しべを露出させます。

手順4
雌しべに雄しべを擦り付ける
露出した雄しべを、雌花の内側にある雌しべの先端に軽く押し当て、花粉をまんべんなく均一に付着させます。

人工授粉を成功させるためには、4つの条件をすべて同時に満たすことが必要です。

人工授粉の成立条件
  1. 晴れていること
  2. 雄花が咲いていること
  3. 雌花が咲いていること
  4. 朝9時までに人工授粉を完了すること

人工授粉に成功するとスイカの果実となる「子房」が徐々に膨らんできます。小玉スイカの場合、畑では1つのツルに2果、1株当たり4果の収穫が可能ですが、プランターでは1つのツルに1果=1株2果が限界なので、下の写真のように1つのツルに2つ以上着果した場合は、どちらか片方を摘果し、栄養を1果に集中させるようにしましょう。

摘果

しばらくすると、子房の肥大が進み、誰が見てもスイカと分かるような形へと生長します。1つのプランターに2株、1株当たり2ツル、1ツルあたり1果着果させているので、プランターあたり4果収穫出来ることになります。

収穫間近のスイカ

スイカ以外の大半の野菜は外見から収穫適期が分かりますが、スイカに関しては外見や、叩いたときの音などから、収穫適期を素人が見極めることは非常に難しいです。

そのため、いつ受粉したかを記録して、品種ごとに決められた日数経過後に収穫するのが適期収穫のポイントになります。

以下の写真のように、人工授粉した日を書いたメモを雌花に麻ひもでくくりつけておくと、それぞれの果実の収穫適期が一目瞭然となります(一般論として、大玉45日、小玉35日が目安)。

人工授粉日をメモ

収穫適期を迎えたら、ツルを切って、朝のうちに収穫しましょう。

収穫適期のスイカ

今回栽培した小玉スイカ「紅しずく」は、大玉の一般的な品種よりも糖度が高く、家庭菜園ならではの味を楽しむことが出来ます。

紅しずく:収穫

栽培のポイント・注意点

「紅しずく」のプランター栽培の要点

スイカは品種によって適期に至る受粉後の日数や、仕立て方などが異なりますが、今回ご紹介した「紅しずく」の栽培の要点は以下の通りです。

スイカの整枝方法

  1. 本葉5枚で摘心し、子ヅル2本仕立てとする。
  2. 各ツルから1果=1株から計2果を収穫する。1つのプランターに2株栽培するため、1プランターあたり4果の収穫が可能。
  3. 14~20節で着果(人工授粉)させるのが理想。
  4. 孫ヅルは着果節までは全て取り去り、受粉後は放任する。
  5. 子ヅルの先端は最後まで摘心不要。
  6. 受粉後33~35日が収穫適期

人工授粉のチャンスを逃さない

スイカ栽培の難しさは、同じ日の朝に雌花と雄花が同時に咲かなければ人工授粉ができず着果しないところにあります。限られた人工授粉のチャンスを逃さないよう、毎朝必ずチェックを忘れないようにしましょう。安定的に人工授粉可能な場合は、14~20節で着果させるのが理想的です。

病虫害に注意

スイカはウリ科なので、アブラムシやウリハムシなどの害虫に好まれます。株のサイズが大きく、防虫ネットで完全に覆うこともほぼ不可能なため、見つけ次第捕殺するようにしましょう。

腐敗と裂果に注意

スイカの玉が、湿った土に直接長く触れていると腐敗することがあります。よしずなどを使って、地面との直接の接触を避けるか、立体的に誘引して果皮が過湿にならないよう管理しましょう。

また、収穫直前になると内圧が高まり、大雨などの衝撃(+過剰な水分吸収)によって、裂果することがあります。雨除けが出来れば理想ですが、家庭菜園では現実的に難しいため、天気予報で大雨が予想される場合は、2~3日適期より早くても収穫してしまうことをお勧めします。

6 COMMENTS

saku

はじめまして

7月に食べたスイカの種が発芽して双葉から更に葉が生えてきてきました。今からでもプランター栽培出来ますか?実る可能性ありますでしょうか?

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Yu-Rin

sakuさんへ
おはようございます。ご質問ありがとうございます。
スイカは家庭菜園ではゴールデンウィーク頃にタネをまいて、8月に収穫するのが一般的な作型になります。
適期でも収穫までに3~4カ月掛かりますので、8月中旬に芽が出たということは、収穫出来るのは計算上、11~12月頃ということになります。
ただ、この時期はすでに気温が低く、スイカの生育に必要な強い日照も、温度も不足することになりますので、恐らく、途中で枯れてしまうことになるかと思います。
是非、また来年、チャレンジしてみてください。

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Yu-Rin

ラッキーさんへ
子ヅルの14~20節に着果させるのが「理想」ですが、やむを得ない場合は、子ヅルの21節以上、または、孫ヅルに着果させてみてください。
実の形や、実のつまりがやや悪くなってしまうことがあるのですが、自宅で楽しむ分にはそれほど問題ないと思います。

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