焼肉でお馴染みのチマサンチュ(=サンチュ)はキク科のため虫害を受けづらく、長期の管理や追肥が必要ではあるものの、家庭菜園初心者でも簡単に育てることが出来ます。
このページでは「チマサンチュ 青葉種(タキイ種苗)」をプランターで種から栽培する方法をご紹介します。
基本データ | |
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栽培難易度 | |
名称・別名 | サンチュ、チマサンチュ、韓国カキチシャ、韓国レタス、包菜(ツツミナ)、まきたい菜、焼肉レタス |
科名 | キク科 |
英名 | Korean lettuce, Sanchu |
原産地 | 地中海沿岸、中国 |
播種適期 | 3月初旬~4月上旬、9月上旬~中旬 |
種のまき方 | 点まき |
発芽適温 | 15~20℃ |
生育適温 | 15~20℃ |
発芽日数 | 4~6日 |
最適プランター | レリーフプランター650 |
Step 1:必要資材の準備
サンチュをプランターで栽培するために、まずは必要となる資材や道具を揃えましょう。
はじめての家庭菜園でどれを買ったら良いか分からない場合は、この記事で使用している以下の資材一式を購入し、記載の手順通りに育てれば初心者でも失敗無く収穫することが出来ます。
タネ
耐暑、耐寒性に優れ育てやすい青葉種で、焼肉と相性が良い定番のサンチュです。
プランター
サンチュはそれほど多くの土量を必要としないので、レリーフプランター(点まき、4点)がおススメです。
培養土
緩効性肥料入りの粒状培養土で、保水性、通気性、保肥性のバランスに優れています。
肥料
窒素、リン、カリがそれぞれ8%含まれる、最も一般的な化成肥料です。信頼できるメーカーのものを選ぶようにしましょう。
ジョーロ
毎日の水やりに使用します。プランターの数が多くなってきたら、ホースリールの導入も検討してみてください。
Step 2:種まき
良く洗ったプランターに鉢底石を底が見えなくなるくらいまで入れる。
*新品のゴールデン粒状培養土を使用する場合、この手順は不要です。
プランターに培養土を入れ、表面を平らにならす。
*プランターのふちギリギリまで入れずに、3 ㎝程度、余裕をもって入れましょう。
*タネをまくための「蒔き溝、蒔き穴」を作る必要はありません。
点まき。レリーフプランター650なら4点、各点8粒。
培養土をタネが完全に見えなくなるまで追加する(すでにプランターに入っている培養土を「寄せる」のではなく、新たにタネの上に培養土を追加)。
*このようにするとタネをまいた部分だけが少し高くなって株元の排水性が向上し、根腐れを予防することができます。
プランターの排水口から水が流れ出るまでたっぷりと水を与える。
*ホースリールを使用する場合は水勢を弱くし、土やタネが流れてしまわないよう注意。プランターは風通しの良い日なたに設置し、発芽するまでは毎朝1日1回の水やりを行いましょう。
サンチュは発芽に光のエネルギーを必要とします(好光性種子)。タネを土に深く埋めすぎないように注意しましょう。
Step 3:発芽・間引き
種をまいてから、およそ4~6日ほどで発芽します。
発芽率が悪い場合に備え、念のため1点あたり8粒蒔いていますが、双葉が開いた段階で初回の間引きを行い、1点あたり4株としましょう。
間引きの方法:株間が十分に広い場合は、苗を指でつまんでまっすぐ上に引き抜くのが最も手軽ですが、ピンセットを使うと、混み合っている箇所でも正確に間引くことが出来ます。また、密集して発芽してしまった箇所は(根が絡まり、残したい株まで一緒に抜けてしまう恐れがあるため)ハサミで根元から切り取ると安全・確実に間引くことが出来ます。
さらに4日ほどすると本葉が出てきます。
徐々に本葉が増え、葉が重なり合ってくるので、本葉が3枚程度の時期を目安として、2回目の間引きを行い、各点2株とします(写真は間引き直前の様子)。
サンチュは株ごとの成長に差が出やすいため、特に成長の良い2株を選んで残すようにしましょう(写真は間引き直後の様子)。
さらに本葉が増えて葉が重なり合うようになったら、最終間引きを行って各点1株とし、レリーフプランター全体で4株とします。この頃から成長が非常に旺盛になるため追肥も忘れずに行うようにしましょう。
チマサンチュは栽培期間が長期となるため、定期的な追肥が必要です。緩効性肥料なら1か月おき、一般的な化成肥料なら2週間おきを目安として追肥しましょう。追肥の際は株元を避け、プランターのふちに沿って蒔くようにすると根が肥料焼けして痛んでしまう心配がありません。
Step 4:育成・収穫
最終間引きを終えると、どんどん葉が増えてきます。
下の写真くらいに葉が込み合ってきたら下葉から1枚ずつ手で摘み取って収穫をはじめることが出来ます(ハサミを使わなくても簡単に手で葉を折り取ることが出来ます)。
サンチュの収穫方法ですが、株ごと引き抜いて収穫するよりも、葉を1枚ずつ摘み取って収穫したほうが遥かに多収となります(この収穫方法を「かき取り収穫」と呼びます)。
草勢を維持するため、最低でも7枚程度の本葉を残すようにするのがポイントです。
かき取り収穫を続けながら適切に水やりと追肥を行えば、下の写真のようにどんどん大株に成長し、レリーフプランター1つで毎週大量のチマ・サンチュを味わうことが出来ます。
食べたいときに収穫し、採れたてのサンチュをそのままサラダとして頂くと、家庭菜園ならではの新鮮な素材の味と食感を楽しむことが出来ます。
下葉から手で1枚ずつ葉を折り取って収穫する「かき取り収穫」の場合、収穫した分だけ茎が成長し新たな葉が増えるため、数カ月間、収穫し続けることが出来ます。
下葉から順次収穫することで株元の風通しが良くなり、また、葉が土に触れることも無くなるため、病虫害の被害も受けづらくなります。
徐々に株が疲れ、大きな葉が出なくなったり、花が咲き始めたら栽培終了の合図です(写真は2カ月間収穫した後の様子)。
栽培のポイント・注意点
根腐れに注意
チマサンチュは無被覆でも虫害がなく、その点では育てやすいのですが、根の抵抗力が弱く根腐れによって枯れてしまうことがしばしばあります。
根腐れの発生要因は、過剰な水分や肥料です。特に水分を与えすぎると根に酸素が回らず、窒息してすぐに根腐れを起こしてしまうため「土表面がしっかりと乾いてからたっぷり水を与える」ことを特に意識した水やりが大切です。
真夏を避けること
レタス類全般に言えますが、サンチュは暑さに弱く、夏の暑さでトウ立ちしてしまうことがあります(トウ立ち=抽苔(ちゅうだい)=花芽が伸びて、葉が固くなり、食用に適さなくなること)。
そのため、栽培は夏季を避け、春作なら夏前には栽培を終えるように、秋作なら暑さが和らいだ頃に種をまくスケジュールとしましょう。
夜間の街灯に注意
サンチュは日が長くなるとトウ立ちする性質があります。街灯や屋外灯などで夜間も明るい場所で栽培すると、適期でもトウ立ちしてしまう場合があります。極力、夜間に光の当たらない場所にプランターを設置するようにしましょう。
発芽しない原因
チマサンチュの発芽適温は15℃~20℃で、25℃以上では種が休眠し、発芽しない性質があります。また、チマサンチュは好光性種子なので、発芽するためには光のエネルギーを必要とします。
そのため、涼しい季節にタネをまき、覆土は浅めにするようにしましょう。