ズッキーニはつる無しかぼちゃとも呼ばれ、外観はキュウリに似ていますが、分類上はかぼちゃの変種にあたります。栽培自体はそれほど難しくないものの、人工授粉の難易度が高く、家庭菜園初心者にはやや栽培のハードルが高い野菜の1つといえます。
この記事では黄色い外観が特徴のズッキーニ「オーラム」をプランターで種から栽培する方法をご紹介します。
基本データ | |
難易度 | |
名称・別名 | ズッキーニ、ペポカボチャ、スニッカーズ、ツルなしカボチャ |
科名 | ウリ科 |
英名 | Zucchini, Courgette |
原産地 | メキシコ |
種まき適期 | 4月中旬~5月上旬 |
種のまき方 | 点まき |
最適プランター | レリーフプランター650 |
Step 1:必要資材の準備
ズッキーニをプランターで栽培するために、まずは必要となる資材や道具を揃えましょう。
はじめての家庭菜園でどれを買ったら良いか分からない場合は、この記事で使用している以下の資材一式を購入し、記載の手順通りに育てれば初心者でも失敗無く収穫することが出来ます。特に、種の品種は耐病性や育てやすさに大きく影響するため、初めて栽培する方には以下の品種の使用をお勧めします。
- 種
オーラム - プランター
レリーフプランター650 - 培養土
ゴールデン粒状培養土野菜用 - 緩効性肥料
- ジョーロ
- ハサミ
Step 2:種まき
*新品のゴールデン粒状培養土野菜用を使用する場合、この手順は不要です。
*プランターのふちギリギリまで入れずに、3 ㎝程度、余裕をもって入れましょう。
*種をまくための「蒔き溝、蒔き穴」を作る必要はありません。
*このようにすると種を蒔いた部分だけが少し高くなって株元の排水性が向上し、根腐れを予防することができます。
*ホースリールを使用する場合は水勢を弱くし、土や種が流れてしまわないよう注意。プランターは風通しの良い日なたに設置し、発芽するまでは毎朝1日1回の水やりを行いましょう。
Step 3:発芽・間引き
毎日水やりを行うと1週間ほどで順次発芽します。2枚の双葉の先端に種がついたまま発芽することが多々ありますが、しばらく放置すれば自然に外れて双葉が展開します。
ズッキーニは双葉のサイズがかなり大きく、すぐに隣の株と重なり合ってしまうので、双葉が完全に展開したタイミングで初回の間引きを行い、各点2株とします。普通に手で引き抜いて間引いても構いませんが、残したい株の根を傷つけてしまう可能性があるため、ハサミで根元から切り取って間引く方法がお勧めです(写真左下と右上がハサミでカットした跡)。
しばらくすると本葉が出てきます。
3枚目の本葉が出始めた頃に、最終間引きを行い、各点1株、プランター全体で計2株とします(間引き直前の様子)。
ズッキーニは葉が大きく株全体が風にあおられやすいため、下の写真のように最終間引き後にしっかりと土寄せ(または株元への培養土の追加=土増し)を行っておきましょう。上下の写真を見比べると土寄せの様子が良くわかると思います。
Step 4:育成
最終間引きを終えたら、しばらくそのまま育成します。
どんどん葉が増え、2株だけでもかなり窮屈になります。
この頃から株元周辺に、つぼみがたくさん付き始めます。尚、この写真にあるのはすべて雄花のつぼみです。
最初は雄花のつぼみばかりが出来ますが、徐々に、雌花のつぼみも増えてきます。雌花と雄花の見分け方は簡単で、黄色い膨らみの先につぼみがついているのが雌花です。黄色い部分が受粉後肥大し、最終的に食用となります。
本葉がこれくらい増えると、次々に雄花と雌花が咲き始めます。そのまま放置してもミツバチなどの媒介によって自然授粉し、結実することもありますが、より確実に着果させるため次に人工授粉(人工交配)を行いましょう。
Step 5:人工授粉・収穫
雌花と雄花が同時に開花したら、以下の手順どおりに人工授粉を行います。
人工授粉を成功させるためには、4つの条件をすべて同時に満たすことが必要です。
- 晴れていること
- 雄花が咲いていること
- 雌花が咲いていること
- 朝9時までに人工授粉を完了すること
何らかの要因で人工授粉に失敗すると、実が大きくならず、先端から腐り始めます。こうなってしまったら、実の付け根からハサミで切り取って廃棄しましょう。
受粉に成功すると、実がぐんぐん大きくなります。
人工授粉(=開花日)から4~5日して、実のサイズが20 ㎝ほどになったら実の付け根(=果梗、緑色の部分)からハサミでカットして収穫しましょう。
栽培のポイント・注意点
人工授粉のチャンスを逃さない
ズッキーニ栽培の難しさは、同じ日の朝に雌花と雄花が同時に咲かなければ人工授粉ができず着果しないところにあります。限られた人工授粉のチャンスを逃さないよう、毎朝必ずチェックを忘れないようにしましょう。
下葉刈りで成長促進
収穫期に入ったら下葉に栄養が取られないように、実から下3枚の葉を残し、それより下の葉はすべてハサミで刈り取っておきましょう。こうすることで風通しも良くなります。
早取りで多収に
ズッキーニはサイズが20 ㎝を超えると食味が悪くなります。また、株にも大きな負担がかかり、後続の実の付きが悪くなってしまうため、採り遅れず収穫するようにしましょう。