スイートコーンの育て方

とうもろこしの栽培方法

とうもろこしの中でも、特に甘みの強いスイートコーンはとてもヘルシーで夏のおやつにも最適です。

この記事では極早生、強甘味種の「ランチャー82」をプランターで種から栽培する方法をご紹介します。

基本データ
栽培難易度 
名称・別名玉蜀黍(トウモロコシ、唐モロコシ)、とうきび、きび、きみ、もろこし
科名イネ科
英名Corn, Maize
原産地中南米
播種適期4月中旬~5月上旬
種のまき方点まき
発芽適温25~30℃
生育適温22~30℃
発芽日数4~6日
最適プランターレリーフプランター650

Step 1:必要資材の準備

とうもろこし(スイートコーン)をプランターで栽培するために、まずは必要となる資材や道具を揃えましょう。

はじめての家庭菜園でどれを買ったら良いか分からない場合は、この記事で使用している以下の資材一式を購入し、記載の手順通りに育てれば初心者でも失敗無く収穫することが出来ます。

タネ

播種後82日で収穫出来る早生種で育てやすく、特に甘みが強い家庭菜園の人気品種です。他の品種よりも草丈がコンパクトなので、特にプランター菜園に向いています。

プランター

スイートコーンはそれほど多くの土量を必要としないので、レリーフプランター(点まき、3点)がおススメです。

培養土

緩効性肥料入りの粒状培養土で、保水性、通気性、保肥性のバランスに優れています。

肥料

窒素、リン、カリがそれぞれ8%含まれる、最も一般的な化成肥料です。信頼できるメーカーのものを選ぶようにしましょう。

ジョーロ

毎日の水やりに使用します。プランターの数が多くなってきたら、ホースリールの導入も検討してみてください。

ホースリール選びのポイント ホースリール選びのポイント

Step 2:種まき

手順1
鉢底石を入れる

良く洗ったプランターに鉢底石を底が見えなくなるくらいまで入れる。
*新品のゴールデン粒状培養土野菜用を使用する場合、この手順は不要です。

手順2
培養土を入れる

プランターに培養土を入れ、表面を平らにならす。
*プランターのふちギリギリまで入れずに、3 ㎝程度、余裕をもって入れましょう。
*タネをまくための「蒔き溝、蒔き穴」を作る必要はありません。

手順3
タネをまく

点まき。レリーフプランター650なら3点、各点3粒。

とうもろこしのタネのまき方

手順4
タネに土をかぶせる

培養土をタネが完全に見えなくなるまで追加する(すでにプランターに入っている培養土を「寄せる」のではなく、新たにタネの上に培養土を追加)。
*このようにするとタネをまいた部分だけが少し高くなって株元の排水性が向上し、根腐れを予防することができます。

手順5
水やりをする

プランターの排水口から水が流れ出るまでたっぷりと水を与える。
*ホースリールを使用する場合は水勢を弱くし、土やタネが流れてしまわないよう注意。プランターは風通しの良い日なたに設置し、発芽するまでは毎朝1日1回の水やりを行いましょう。

Step 3:発芽・間引き

毎日水やりを行うと1週間ほどで順次発芽します(ランチャー82の発芽適温は、25~30 ℃です。寒さが残る時期では発芽しにくいため、ゴールデンウィーク頃の種まきがお勧めです)。

とうもろこしの発芽      

立性が良いので特に急ぐ必要もありませんが、本葉が数枚出たら各点成長の良い1株を残し間引きましょう(下の写真は間引き直前の様子)。

スイートコーン間引き

間引きの方法:株間が十分に広い場合は、苗を指でつまんでまっすぐ上に引き抜くのが最も手軽ですが、ピンセットを使うと、混み合っている箇所でも正確に間引くことが出来ます。また、密集して発芽してしまった箇所は(根が絡まり、残したい株まで一緒に抜けてしまう恐れがあるため)ハサミで根元から切り取ると安全・確実に間引くことが出来ます。

間引きの基本 野菜の間引きのコツ:2つの方法と3つのポイント
定期的な追肥が必要
トウモロコシは栽培期間が長期となるため、定期的な追肥が必要です。緩効性肥料なら1か月おき、一般的な化成肥料なら2週間おきを目安として追肥しましょう。追肥の際は株元を避け、プランターのふちに沿って蒔くようにすると根が肥料焼けして痛んでしまう心配がありません。

Step 4:育成・人工授粉・収穫

最終間引きを終えたら、しばらくそのまま育成します。

最終間引きを終えたスイートコーン

しばらくすると、地際から分けつ(側枝)が現れはじめます。他の野菜の場合は側枝を取り去ったほうが良い結果を与える場合が殆どですが、スイートコーンに関してはあえて取らず、そのまま放置するのがコツです。

トウモロコシの側枝は残そう

スイートコーンの側枝を取らずに残す理由は以下のとおりです。

  1. 強風が吹いても側枝が支えとなり倒伏しづらくなる。
  2. 葉面積と根量が増加し樹勢維持に役立つ。結果として品質向上に繋がる。
  3. わざわざ側枝を取る作業が省ける。
  4. 側枝を折り取るとその切断面から病原菌が入るリスクが生じる。

草丈が大きくなると風の影響を受けやすくなるため、株元に新たな培養土を追加しておきましょう(土増し)。上下の写真で見比べると分かりやすいと思いますが、側枝の付け根が完全に埋まるくらいが目安です。結果としてウォータースペース(土表面からプランター上端までのスペース)がかなり少なくなりますが、培養土を追加することでプランター全体の重量も増え、プランター自体も強風に倒されづらくなります。

トウモロコシの土寄せ

栽培中盤を過ぎると、頂部から雄穂(ゆうずい)が出てきます。写真右側に出始めているわき芽のようなものが将来、スイートコーン食用部へと成長する雌穂(しずい)です。

とうもろこしの雄穂

上の写真から数日すると株の先端に雄穂が開花します。株の中段に見えるものが後にトウモロコシの食用部分となります。スイートコーンは虫の助けを借りず、風によって花粉が自然飛散し受粉する風媒花(ふうばいか)で、雌穂の絹糸(きんし、ひげの部分)に別の株の花粉が付着することで受粉が成立し、実が成熟する特性があります(専門的には、このような特性を自家不和合性といいます)。

トウモロコシの花

家庭菜園においては栽培本数が非常に少なく受粉しづらいので、人工授粉を行いましょう。

スイートコーンの人工授粉の方法は、雄穂の一部を折り取り、別の株の絹糸に雄穂の花粉を擦り付けるようにして行います。特に、同じ株の雄穂の花粉ではなく、別の株の雄穂の花粉を絹糸の先端に付着させる必要がある点に注意してください。

アワノメイガ対策
トウモロコシはアワノメイガという害虫によって実がすべて食べられてしまうことがあります。アワノメイガは雄穂に産卵し、そこで生まれた幼虫が株の下へ降りてきて雌穂の中に入り込み実を食べてしまう特性があるため、すべての株の人工授粉が完了したら雄穂ごとハサミでカットしておくと安心です

人工受粉に成功すると、絹糸が褐色に変化します。スイートコーンの収穫タイミングの見極め方ですが、絹糸(ひげ)が茶色く縮れていることが収穫適期の目安となります。家庭菜園においては収穫前に少しだけ皮をむいてみて完全に実が黄色くなっていることを確認後、収穫するのがお勧めです(まだ未熟な場合は皮を戻して翌日の朝、再びチェックしましょう)。

人工授粉に成功したトウモロコシ

スイートコーンの収穫方法は、逆手でしっかりと実をつかみ、実の付け根を軸として、実の先端部分を下に向けるように折り取る方法がお勧めです(ハサミなどは不要)。また、もし可能であれば一番糖度が高くなる早朝に収穫するのが理想です。

スイートコーンは収穫直後から急速に甘みや風味が落ちるので、収穫直前にお湯を沸かしておいて採れたてすぐをさっと茹でて頂くと、家庭菜園ならではの味を楽しむことが出来ます。

栽培のポイント・注意点

人工授粉が必要

畑栽培では畑全体にトウモロコシの花粉が風で自然に舞うため人工授粉は不要ですが、家庭菜園で3株だけ育てるような場合は自然受粉が成立しづらいため、必ず人工授粉を行いましょう。株を軽く揺らすことで花粉を落とす方法もありますが、別の株の雄穂を折り取って、絹糸に雄穂の花粉を擦り付ける方法が最も確実です。

アワノメイガに注意

スイートコーンはアワノメイガという害虫に非常に好まれます。数年に一度大発生しますが、無農薬栽培では完全な防除は難しく、大きな被害を受ける場合があります。アワノメイガは雄穂の香りに引き寄せられて飛来し、雄穂の付け根に潜り込み、絹糸が出始めると今度は実の中にもぐりこんで食用部を食い荒らすという、非常にやっかいな害虫です。

初期の症状として雄穂が突然異常な枯れ方をするので、そのような株を見つけたら早めに株ごと引き抜いて撤去し、早期防除に努めましょう。

また、人工授粉後は雄穂の付け根からハサミでカットしておくのがお勧めです。

密集栽培で多収に

とうもろこしは、絹糸に別の株の花粉が付着することで受粉が成立し、自株の花粉では受粉が成立しづらい自家不和合性という特性があります。そのため、とうもろこし栽培では単一品種の密集栽培が非常に重要となります。複数のプランターで栽培する場合は、2つのプランターを(直列ではなく)隙間をあけずに横並びに配置するのがお勧めです。

キセニアに注意

とうもろこしは他の野菜と異なりタネが可食部となるため、付着した花粉の性質が食味に直接影響を与える珍しい特性があります。そのため、たとえ極甘味種のスイートコーンを栽培していたとしても、近所に食用に適さない飼料用デントコーンなどが栽培されていると、スイートコーンにデントコーンの花粉が付着して食味が著しく低下する(食用に適さなくなる)ことがあります。このような現象を専門的にはキセニアといいますが、これを防ぐためにも単一品種の密植栽培が非常に重要なトウモロコシ栽培のコツになります。

摘果で栄養を集中

今回使用したランチャー82の場合、2本の実(雌穂)が付く場合が多いと思いますが、もし3本以上の雌穂が出た場合は上側の2つを残し摘果しましょう。絹糸が出てから1週間ほどして摘果した実はヤングコーンとして食べることが出来ます。家庭菜園においては1株から2本の収穫が可能ですが、一番上の1つだけを残し他をヤングコーンとしてすべて摘果することでより立派なトウモロコシを収穫することも可能です(尚、商用栽培では1株1本が基本です)。

雄穂開花後は水を切らさない

雄穂が出始めたら、収穫まで水を切らさないように注意しましょう。この時期に水が不足すると実の粒が太らない原因となります。

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