スナップエンドウの育て方

スナップエンドウの育て方・栽培方法

エンドウには、未熟なサヤを食べるサヤエンドウ、サヤとマメを食べるスナップエンドウ、マメを食べる実エンドウ(グリーンピース)の3種類があります。

さらにそれが、つる有り種と、つる無し種に分かれるのですが、基本的にはどれも同じように栽培することが出来ます。

このページでは莢付きが良く、家庭でも育てやすいスナップエンドウの人気品種「グルメ」をプランターで種から栽培する方法をご紹介します。

基本データ
栽培難易度 
名称・別名スナップエンドウ、スナックエンドウ
科名マメ科
英名Snap pea, Sugar snap pea
原産地アメリカ
播種適期3月中旬、10月上旬~11月初旬
種のまき方点まき
発芽適温18~20℃
生育適温12~20℃
発芽日数5~8日
最適プランターベジタブルポット 10号

Step 1:必要資材の準備

スナップエンドウをプランターで栽培するために、まずは必要となる資材や道具を揃えましょう。

はじめての家庭菜園でどれを買ったら良いか分からない場合は、この記事で使用している以下の資材一式を購入し、記載の手順通りに育てれば初心者でも失敗無く収穫することが出来ます。

タネ

莢付きが良く、育てやすい家庭菜園の人気品種です。スナップエンドウとしてはサヤがやや長く(9~10 cm)、甘みも強いのが特徴です。

プランター

スナップエンドウはたくさんの実をつけるので、やや大きめのプランターがおススメです。今回はベジタブルポットにあんどん型支柱を組み合わせ、少ないスペースで立体的に栽培する方法をご紹介します。

培養土

緩効性肥料入りの粒状培養土で、保水性、通気性、保肥性のバランスに優れています。

あんどん型支柱

あんどん型の支柱であればどんなものでも構いませんが、ツルが長く伸びるので150 ㎝以上の長さのものを選びましょう。渡辺泰のタワーリングサポート(150 cm又は180 ㎝)や、パワフル支柱 15号(150 cm)などがおススメです。

ジョーロ

毎日の水やりに使用します。プランターの数が多くなってきたら、ホースリールの導入も検討してみてください。

 

ホースリール選びのポイント ホースリール選びのポイント

Step 2:種まき

手順1
鉢底石を入れる

良く洗ったプランターに鉢底石を底が見えなくなるくらいまで入れる。
*新品のゴールデン粒状培養土野菜用を使用する場合、この手順は不要です。

手順2
培養土を入れる

プランターに培養土を入れ、表面を平らにならす。
*プランターのふちギリギリまで入れずに、3 ㎝程度、余裕をもって入れましょう。
*タネをまくための「蒔き溝、蒔き穴」を作る必要はありません。

手順3
タネをまく

点まき。ベジタブルポット 10号なら2~3点、各点4粒。

ベジタブルポット10号 2点まき

手順4
タネに土をかぶせる

培養土をタネが完全に見えなくなるまで追加する(すでにプランターに入っている培養土を「寄せる」のではなく、新たにタネの上に培養土を追加)。
*このようにするとタネをまいた部分だけが少し高くなって株元の排水性が向上し、根腐れを予防することができます。
やや深めにタネを土に埋めるのがポイント!
詳しくは「栽培のポイント・注意点」をご覧ください。

手順5
水やりをする

プランターの排水口から水が流れ出るまでたっぷりと水を与える。
*ホースリールを使用する場合は水勢を弱くし、土やタネが流れてしまわないよう注意。プランターは風通しの良い日なたに設置し、発芽するまでは毎朝1日1回の水やりを行いましょう。

Step 3:発芽・間引き・支柱立て

スナップエンドウは適期なら播種後5~8日ほどで一斉に発芽します。

発芽したスナップエンドウ

葉が出てきたら、初回の間引きを行い、各点3株としましょう。

スナップエンドウの幼苗

間引きの方法:株間が十分に広い場合は、苗を指でつまんでまっすぐ上に引き抜くのが最も手軽ですが、ピンセットを使うと、混み合っている箇所でも正確に間引くことが出来ます。また、密集して発芽してしまった箇所は(根が絡まり、残したい株まで一緒に抜けてしまう恐れがあるため)ハサミで根元から切り取ると安全・確実に間引くことが出来ます。

間引きの基本 野菜の間引きのコツ:2つの方法と3つのポイント

下の写真くらいのサイズになったら、更に間引きを行い、各点2株、プランター全体で4株とし、あんどん型支柱を設置します。

スナップエンドウの幼苗

支柱に誘引できるサイズになったら、最終間引きを行って、各点1株とし、麻ひもで支柱に主枝を固定します。支柱にネットを張ってツルを巻きつかせる方法もあるのですが、ネットを準備して張るのがやや手間なのと、春まきの場合、基本的に脇芽が出ずにまっすぐ育つので、今回はネットを使わず、主枝を麻ひもで支柱に誘引していく方法をご紹介します。

スナックエンドウをあんどん型支柱に誘引

追肥は不要

3月中旬に種をまくと5月下旬には収穫することが出来、栽培期間が短いので、ゴールデン粒状培養土野菜用のような元肥入り培養土を使用する場合、肥料(追肥)は基本的に不要です。

尚、豆類全般に共通していえるのですが、根に根粒菌という有用微生物が付着し、その根粒菌が窒素分を根に供給してくれるので、肥料に含まれる窒素分は少なくても良く育ちます。逆に、追肥等で過剰に窒素分を与えてしまうと、窒素過剰となって葉ばかりが茂り、実付きが悪くなってしまうことがあるので、肥料は控えめにするのが多収のポイントです。

Step 4:育成・収穫

最終間引きを終えてしばらく育成すると、主枝がどんどん伸びてきます。

生長中のスナップエンドウ

このくらいのサイズになると、強風でツルが折れてしまうことがあるので、定期的にしっかりと麻ひもで誘引しておきましょう。

スナップエンドウ開花

次第に、花もたくさん咲き始めます。スナップエンドウはマメ科なので「蝶形花(ちょうようか)」と呼ばれる非常に美しい花を咲かせます。今回使用した品種「グルメ」の場合、1番花以降は、主枝のすべての節に花が咲き、その後に実を付けます。

スナップエンドウの花

人工授粉は不要
スナップエンドウは花の構造上、花の中で雄しべと雌しべが接触し、開花時には自然受粉(自花受粉)が完了しているため、人工授粉を行う必要はありません(基本的にすべて着果)。

花が落ちると、自然に実が付きます。下の写真だと、まだ、サヤの中のマメ(子実)が未熟なので、収穫するには早すぎます。

未熟なスナップエンドウ

サヤ全体がぷっくらと膨らんだら、収穫適期です。ハサミで一つずつ収穫しましょう。

収穫適期のスナップエンドウ

下の写真は、収穫タイミングを逃し、やや取り遅れてしまったスナップエンドウです。よく見ると、サヤの表面がボコボコしているのが分かると思います。株に負担が掛かるので、基本的には早どりをお勧めしますが、サヤよりも、マメの食感がお好みの方は、このくらいしっかり肥大させたほうが、美味しく頂けると思います。

取り遅れたスナップエンドウ

主枝の全ての節に着果するので、栽培期間の短い春作でも、プランター1つでそれなりにたくさんのスナップエンドウを収穫することが出来ます。是非、採れたてならではの新鮮な味わいを楽しんでみてください!

スナップエンドウ収穫

栽培のポイント・注意点

タネはやや深めに土に埋める

スナップエンドウのタネに浅く土を掛けて発芽させると、タネの中から子葉が抜けきれず、タネごと地上に出て、成長不良となることがあります。

スナップエンドウの発芽(浅植えの場合)

タネの上から3 cm程度、しっかりと土をかぶせ、更に手で軽く押さえて鎮圧しておくと、下の写真のように新芽だけが地表に顔を出し、ぐんぐん成長します。

スナップエンドウの発芽(深植えの場合)

スナップエンドウのタネをまく際は、他の野菜よりも厚めに土をかけるようにしましょう。

早めに収穫して多収に!

スナップエンドウ、特に今回使用した品種「グルメ」は、多少取り遅れてもスジが入らず食味が良いのが特徴ですが、取り遅れが続くと株が疲れ、その後の実付きが悪くなってしまいます。

ぷっくらとサヤ全体が膨らんできたら、取り遅れず、早めに収穫するようにしましょう。

家庭菜園初心者には春まきがおススメ!

スナップエンドウの商用栽培では、秋に種をまいて越冬させ、翌年5月頃に収穫する作型が一般的ですが、栽培期間が非常に長く、プランターでは管理が難しいので、はじめてスナップエンドウを家庭菜園で育てる場合は、3月中旬に種をまき、5月下旬に収穫する短期の作型が手軽でおススメです。

秋まきして越冬させたほうが多収にはなりますが、最近の品種は寒さにあてなくても、すべての節でほぼ100%着果するので、誰でも手軽に家庭菜園でスナップエンドウの収穫を楽しむことが出来ます。

秋まきの早まきは厳禁

スナップエンドウの幼苗は耐寒性が非常に強いのですが、成長するほど寒さに弱くなる特性があります。

秋まきで9月に種を蒔くと、冬が来る前に成長しすぎて、耐寒性が悪くなり、越冬中に枯れてしまうので、必ず、10月上旬~11月初旬に種をまくようにしましょう。

(管理が難しいので、家庭菜園初心者は、この記事でも紹介している春まきがおススメです)

支柱に細かく誘引し茎折れを防ぐ

つる有りエンドウは、基本的にツル(巻きひげ)をネットに巻き付けながら伸びていきます。そのため、ネットを張る場合は細かく麻ひもで誘引しなくても、自然にネットに巻き付き、固定されます。

このページで紹介しているように、エンドウネットを使わず、あんどん型支柱(または、支柱のみ)で栽培する場合は、強風で茎が折れてしまわないよう、各節ごとに、細かく、支柱に主枝を誘引してあげるようにしましょう。

*主枝の中は空洞なので、誘引が不十分だと、強風で簡単に主枝が折れてしまいます。万が一、折れてしまった場合は、その日のうちに折れた部分の前後を支柱に誘引して動かないように固定しておくと、回復してまたぐんぐん成長することが多いです。

スナップエンドウと、スナックエンドウの違いは?

スナップエンドウと、スナックエンドウは、呼び方が違うだけで、まったく同じ野菜を指しています。

スナップエンドウは1970年代にアメリカから輸入されて日本でも栽培されるようになりましたが、もともとの名称は「Snap pea」なので、スナップエンドウと訳すのが正しいのですが、種苗業者の「サカタのタネ」がスナップエンドウを「スナックエンドウ」という商品名で販売したことで、国内ではスナップエンドウ、スナックエンドウという2つの名称が混用されるようになりました。

1983年に農林水産省が「スナップえんどう」に名称統一することを発表したのですが、「サカタのタネ」が現在もスナップエンドウを「スナックエンドウ」として販売し続けていることに加え、日本人にとっては「スナップ(パキッと折れる、という意味)」よりも「スナック(軽食、という意味)」のほうが聞き馴染みがあることもあり、いまだ名称統一には至っていません。

参考 スナップエンドウについて農林水産省

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