ビーツの育て方

ビーツの育て方・栽培方法

ビーツ(テーブルビート)は、日本ではあまり馴染みの無い野菜ですが、ロシア料理のボルシチには欠かせない食材として、ご存じの方も多いと思います。

このページでは、赤と白のうずまき模様の断面が美しく、スライスするだけで生のまま楽しめる家庭菜園の人気品種「チオギア」をプランターで種から栽培する方法をご紹介します。

基本データ
栽培難易度  
名称・別名 ビーツ、ビートルート、テーブルビート、ガーデンビート、レッドビート、カエンサイ(火焔菜)
科名 ヒユ科
英名 Beets, Beetroot, Table beet, Garden beet, Red beet, Dinner beet
原産地 地中海沿岸
播種適期 4月上旬~5月上旬、9月上旬~下旬
種のまき方 条まき
発芽適温 15~20℃
生育適温 15~20℃
発芽日数 4~6日
最適プランター レリーフプランター650

Step 1:必要資材の準備

ビーツをプランターで栽培するために、まずは必要となる資材や道具を揃えましょう。

はじめての家庭菜園でどれを買ったら良いか分からない場合は、この記事で使用している以下の資材一式を購入し、記載の手順通りに育てれば初心者でも失敗無く収穫することが出来ます。

タネ

赤と白のうずまき状の断面が美しく、あくも少ないので、生のまま薄くスライスするだけで、彩り鮮やかなサラダとして食べることの出来る家庭菜園の人気品種です。固定種ですが、肥大性に優れ、育てやすいのが特徴です。

プランター

ビーツはそれほど多くの土量を必要としないので、レリーフプランター(2列、条まき)がおススメです。

培養土

緩効性肥料入りの粒状培養土で、保水性、通気性、保肥性のバランスに優れています。

肥料

窒素、リン、カリがそれぞれ8%含まれる、最も一般的な化成肥料です。信頼できるメーカーのものを選ぶようにしましょう。

ジョーロ

毎日の水やりに使用します。プランターの数が多くなってきたら、ホースリールの導入も検討してみてください。

防虫ネット

ビーツはヒユ科なので、アブラナ科のカブや二十日大根に比べれば、虫害を受けづらいのですが、虫が多い環境、時期に栽培する場合は、種まき直後から防虫ネットでプランター全体を覆っておくと安心です。

Step 2:種まき

手順1
鉢底石を入れる

良く洗ったプランターに鉢底石を底が見えなくなるくらいまで入れる。
*新品のゴールデン粒状培養土を使用する場合、この手順は不要です。

手順2
培養土を入れる

プランターに培養土を入れ、表面を平らにならす。
*プランターのふちギリギリまで入れずに、3 ㎝程度、余裕をもって入れましょう。
*タネをまくための「蒔き溝、蒔き穴」を作る必要はありません。

手順3
タネをまく

条まき。レリーフプランターなら2条。
*1 cm間隔を目安として出来るだけ均一にタネを蒔きましょう。

条まき

手順4
タネに土をかぶせる

培養土をタネが完全に見えなくなるまで追加する(すでにプランターに入っている培養土を「寄せる」のではなく、新たにタネの上に培養土を追加)。
*このようにするとタネをまいた部分だけが少し高くなって株元の排水性が向上し、根腐れを予防することができます。

手順5
水やりをする

プランターの排水口から水が流れ出るまでたっぷりと水を与える。
*ホースリールを使用する場合は水勢を弱くし、土やタネが流れてしまわないよう注意。プランターは風通しの良い日なたに設置し、発芽するまでは毎朝1日1回の水やりを行いましょう。

Step 3:発芽・間引き

今回使用しているビーツ品種「チオギア」は固定種なので、やや発芽がばらつくこともありますが、適期なら播種後4~6日ほどで発芽します。

発芽直後のビーツ

ビーツは1つのタネ(種球)から、複数の芽が出る性質があるので、発芽直後はかなり密集した状態になりがちです。このままだと互いに栄養を取り合ってしまうので、双葉が展開したら初回の間引きを行い、葉が重なり合わない程度に株間を広げましょう。

間引き前:発芽直後はこのように密集しています。

間引き適期のビーツ(間引き前)

間引き後:株間が広がり、風通しが良くなりました。

間引き適期のビーツ(間引き後)

間引きの方法:株間が十分に広い場合は、苗を指でつまんでまっすぐ上に引き抜くのが最も手軽ですが、ピンセットを使うと、混み合っている箇所でも正確に間引くことが出来ます。また、密集して発芽してしまった箇所は(根が絡まり、残したい株まで一緒に抜けてしまう恐れがあるため)ハサミで根元から切り取ると安全・確実に間引くことが出来ます。

初回間引き後も、隣の株と葉が触れ合わないよう適宜間引きを進め、日照と、風通しを確保します。

テーブルビートの間引き

本葉が数枚出てきたら、最終間引きを行い、株間 8 ㎝前後とします。

ビーツの本葉

定期的な追肥が必要

ビーツは栽培期間が長期となるため、定期的な追肥が必要です。緩効性肥料なら1か月おき、一般的な化成肥料なら2週間おきを目安として追肥しましょう。追肥の際は株元を避け、プランターのふちに沿って蒔くようにすると根が肥料焼けして痛んでしまう心配がありません。

Step 4:育成・収穫

最終間引きを終えたら、しばらくそのまま育成しましょう。

生育中のビーツ

生育序盤は株元の肥大は見られず、葉の数だけがどんどん増えます。

生育中のビーツ

株元がぐらつかないように、時々、土寄せ(または、土増し)しておきましょう。

生育中のビーツ

地上部が15 cmぐらいになると、株元(可食部)が徐々に赤く膨らみ始めます。下の写真をよく見ると、中央手前の株だけ、少し、膨らみ始めているのが分かると思います。

わずかに肥大しはじめたビーツ

最終的には、下の写真のように、草丈が30 ㎝程度にまで成長します。

この時期になると、一部の葉が枯れてくることがありますが、枯れて茶色くなった葉や、虫害がひどい葉は、早めに取り除いておくようにしましょう。

収穫間際のビーツ

地上部が上の写真くらいに成長したら、定期的に株元もチェックしておきましょう。

株元の土を指先で少しどかしてみて、食用部の直径が4 cm以上になっていれば収穫適期です。

収穫適期のビーツ

ビーツの収穫方法は、地上部の葉を上に集めて、まっすぐ上に引き抜くだけなので、小さな子供でも、楽しく簡単に収穫することが出来ます。

水でよく洗うと、とても鮮やかな赤色になります。今回、使用したビーツ品種「チオギア」は断面がきれいなうずまき模様をしているので、小さいうちに収穫してサラダにするのがおススメです。

収穫したテーブルビート

 

栽培のポイント・注意点

早めに収穫してサラダにするのがおススメ!

今回紹介した「チオギア」は、赤と白のうずまき模様がきれいなので、生のままスライスしてサラダにトッピングするのがおススメです(茹でると模様が薄くなってしまいます)。

収穫が遅れると、クセが強くなって生食に向かなくなってしまうので、直径4 cm~6 cmを目安として、早めに収穫するようにしましょう。

防虫ネットで虫害を予防

ビーツはヒユ科なので、アブラナ科のカブや二十日大根に比べれば、虫害を受けづらいのですが、害虫の多い時期・地域で栽培する場合は、種まき直後から防虫ネットでプランター全体を覆っておくと安心です。

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